考古・文化財情報

田辺市本宮町の湯ノ峰にある宝篋印塔群について

三重県埋蔵文化財センターの伊藤裕偉氏からご高論「熊野街道八鬼山道周辺の中世石造物」(『三重県史研究』24号、2009)、「熊野の中世宝篋印塔集成」(三重県埋蔵文化財センター『研究紀要』第19-1号)をご恵贈いただきました。ありがとうございました。 …

元那智山宝蔵院家の調査でわかってきたこと。

我が庭に白い水仙が咲いています。春が来ました。 ところで、今回の元那智山宝蔵院家の調査で色々なことが分かってきたのですが、別の収穫もありました。 それは、元那智山実報院家の分家である「春光坊家」の系譜が明らかにされたことでした。宝蔵院家がお…

那智山に関係する新宮市の旧家で文書を調査。

3月13日に、那智山に関係する新宮市の旧家(宝蔵院家)に文書調査に行って来ました。途中で見掛けた山桜が非常に綺麗でした。 嬉しいことに、その旧家で、いくつかの新しい発見がありました。 取り敢えず、室町時代から江戸時代にかけてのいくつかの重要な文…

熊野市の「花の窟」と「獅子岩」。

南紀州のミニ旅行の続きを書きます。 熊野市のおなじみ花の窟に行って来ました。この神社(1枚目~4枚目の写真)は国道42号線沿いにありますので、入りやすくて助かります。 花の窟は、『日本書紀』でイザナミノミコトが葬られた地との神話の残る聖地です。 …

滝尻王子社内に設置された宝篋印塔

ここに掲載したのは,古くから熊野三山への入口に当たると認識されていた滝尻王子社内に設置された宝篋印塔の写真です。 宝篋印塔とは,皆様ご承知のように,鎌倉時代前期以降,専ら死者の墳墓の標識や経塚の標識として,あるいは死者の追善供養や生者の逆修…

大手前大学史学研究所主催シンポジウムのおしらせ

1枚目の写真は、家人が地元住の知り合いからもらってきた「まりひめ」という名前のイチゴです。 このイチゴはあっさりとした味が持ち味のようで、熟れていないように見えて味はしっかりとしていました。 中国明代末期のお皿に盛りました。図柄は、梅にウグ…

紀伊一ノ宮―日前宮― №② 国懸神宮

次に、左の日前(ひのくま)神宮から数百m離れた場所にある右の国懸神宮(くにかかす)について紹介します。よく見ると、建物そのものは日前神宮のそれとそっくりです。 日前神宮の祭神・日前大神の御神体は日像鏡ですが、国懸神宮の祭神・国懸大神の御神体は日…

紀伊一ノ宮―日前宮― №① 日前神宮

岩出の親戚の所に行く用事があり、帰途、ついでに紀伊一ノ宮である日前宮(にちぜんぐう)に参拝してきました。 日前宮は、和歌山市秋月にあるこんもりとした森に囲まれた和歌山を代表する神社で、紀伊大神・延喜式内社・旧官幣大社として日本でも最古の歴史を…

国際シンポジウム『古都物語―京都、奈良、ローマ、そしてボンベイ―』に参加

昨日1月10日に『古都物語―京都、奈良、ローマ、そしてボンベイ―』と題された国際シンポジウム(1枚目・2枚目の写真)に参加するため同志社大学の今出川キャンパス明徳館一番教室(3枚目の写真)へ出かけてきました。 古都の歴史と文化遺産(ローマの文化遺産…

ライトアップされた京都市の清水寺

昨年の12月初旬に、息子と一緒に、ライトアップされた京都市の清水寺を見物に行って来ました。 たくさんの人手の中を掻き分けつつ詣でたのですが、それほど性能のよくないカメラで撮影するのに大変苦労しました。ビデオ撮影もしましたがそっちの方が少しマシ…

雲海の名所で、最近「天空の城」として知られるようになった兵庫県の竹田城跡(国史跡)。

お久し振りです。 昨晩(26日),やっと帰って来たばかりの私のコンピュータに,息子から写真が送付されて来ました。 雲海の名所で、最近「天空の城」として知られるようになった兵庫県朝来市和田山町の竹田城跡(国史跡)へ行って来た時に撮ってきた写真だそう…

『開館15周年春季企画展・善光寺信仰-流転と遍歴の勧化-』をご恵贈いただきました。

信州大学教授・牛山佳幸先生から写真①の『開館15周年春季企画展・善光寺信仰-流転と遍歴の勧化-』(長野県立歴史館,2009),『善光寺大紀行』(一草舎出版,2009)などをご恵贈いただきました。 その学恩に対して謹んで感謝申し上げます。 なお,写真②は善光…

京都でまず行きたかった場所・・・・実は・・・・。

白峯神社の近くを通ったのは,実は道を間違えたのが原因でした。 本当は,堀川今出川交差点から南西に向かうべきだったのを東に向かってしまったことがこのような結果に繋がってしまったということです。間違ったことが良かったとは正にラッキーでした。 し…

京都の白峯神宮といえば・・・・。

平安京文化研究会に出席するため会場の京都大学に向かっていたところ,堀川今出川交差点の北東部でふと見た白峯神宮(しらみねじんぐう)で珍しいものを見かけました。 この白峯神宮の祭神は,12世紀中頃に讃岐に流された崇徳(すとく)天皇と,8世紀中頃に淡路…

熊野那智大社蔵「内侍尚侍藤原氏寄進状」(重要文化財)のこと。

熊野那智大社文書(重要文化財)のうち最古の文書(もんじょ)といわれている熊野那智大社蔵「内侍尚侍藤原氏寄進状」を紹介します。 これは,内侍尚侍藤原氏が相伝してきた紀伊国有田郡比呂庄(ひろのしょう)・宮前庄(みやざきのしょう)の免田各一三町五段を,応…

昨日,紀伊考古学研究会 12回大会へ行って来ました。

写真①は,赤いマンジュシャゲと白いマンジュシャゲが揃って咲いている光景です。 昨日,紀伊考古学研究会の12回大会へ行って来ました。 テーマは,「古代の紀伊国を考える-飛鳥・奈良時代の寺院・官衙・墳墓と人びとの暮らし-」でした。 【発表】 丹野 拓 …

今秋,大倉集古館で『根来展』開催。

今秋の10月3日(土)から12月13日(日)にかけて,東京都港区虎ノ門にある大倉集古館で『根来展』が開催されます。 根来塗とは,黒漆地に朱漆塗りを主体とする漆器全般をさしています。狭義では室町時代に和歌山県の根来寺で制作されたもののみをさしています。…

祭りの後

写真① 祭りの後。那智の火祭及び扇会式もほぼ終わり,集まっていた人々も散らばって行きました。 写真②~写真④ バスに乗らず歩いて那智山を下ることにしていた私達親子は,しばらく坂道を熊野那智大社方面に向かって上り,途中から那智山を下り始めました。 …

香雪美術館の「仏教美術の名品」展

神戸の香雪美術館(写真①)において,大正3年に発表された村山龍平氏の仏教美術コレクションの中で,未公開の仏像や仏画を初めて陳列するとともに,平安時代・鎌倉時代の経巻及び絵巻物を展示し,信仰と造形との緊密なつながりを感じ取ってもらおうと,「仏教…

東京日本橋にある三井記念美術館に行って来ました。

6月18日に,日本橋にある三井記念美術館(三井文庫)に行って,茶会に使用する色々な名品を見てきました。 写真① 三井タワーです。周りの多くのビルを威圧する巨大なビルです。少し迷いつつ,やっと中には入りました。 写真② ガラスで覆われた茶室の中に,こ…

陶器の犬達

以前,掲載した古美術商の浦上蒼穹堂から御恵贈いただきました『浦上蒼穹堂30周年記念』の中に,私の大好きな陶器の犬の仲間が何匹か掲載されていることに気がつきました。 写真①,後漢時代の緑釉犬 写真②,西晋時代の青磁犬 写真③,唐時代の褐釉犬(再登場) …

浦上蒼穹堂から『浦上蒼穹堂30周年記念』を御恵贈いただきました。

以前からお付き合いのある古美術商の浦上蒼穹堂から『浦上蒼穹堂30周年記念』を御恵贈いただきました。感謝いたします。 そこに掲載されているたくさんの古美術品の中から中国の古美術品をいくつか紹介してみたいと思います。 写真①,『浦上蒼穹堂30周年記念…

和歌山県教育委員会『和歌山県文化財ガイドブック』の紹介。

3月26日から27日にかけて,東京で出版の打ち合わせをしたり,教え子と食事を共にしながら共通する趣味について話をしたりし,さらに翌日の28日に西行学会の設立総会に出席しました。 西行法師は,紀州出身の古代末期の歌人で,しかも『新古今和歌集』の歌人…

子持ち狛犬

旧南部町東岩代集落に東岩代神社(1枚目の写真)があります。東岩代神社は,県民俗文化財に指定された「岩代の子踊り」や南北朝~室町時代の棟札で有名な神社です。 特にこの神社にある江戸時代末期制作の狛犬(2枚目の写真)に注目したいと思います。 この狛…

「伝統文化のモノと心」(News Letter)のご紹介。

國學院大學の伝統文化リサーチセンター資料館が発行している「伝統文化のモノと心」(News Letter)2冊を紹介します。 №1(1枚目の写真)は,以前すでに紹介していますが,№2(2枚目の写真)は,今回いただきましたので,№1とともに紹介させてもらいます。 …

國學院大學の伝統文化リサーチセンター資料館を見学してきました。

先日(3月16日),國學院大學の学術メディアセンター棟内の地下1階にある伝統文化リサーチセンター資料館を息子とともに見学してきました。 嬉しかったのは,教え子ということで館内を研究開発推進機構准教授の内川隆志氏が案内してくれたことです。私にとっ…

和歌山県旧南部町北道丹河のイチョウの大樹の現在

かなり以前,「みなべ町内の秋の里・山を歩いてみました」で紹介した,樹高は約35m,推定樹齢は300年の丹河地蔵堂(たんがじぞうどう,旧南部町北道丹河)のイチョウの大樹(県指定天然記念物)がこんな姿になってしまいました。 さらなる成長を願ってこんなに…

第5回孫市祭

第5回孫市祭,2009年3月29日,本願寺鷺森別院およびその周辺でおこなわれます。 雑賀衆武者行列 雑賀衆鉄砲演武 講演会 講師・作家神坂次郎氏 フリーマーケット 「よみがえれ孫市」ビートライブ 孫市鍋のふるまい 戦国仮装コスプレ スポーツチャンバラ 熱…

千年前の紙に記された古筆切

昨日,「朝日新聞」2009年3月5日付けの文化欄に書かれた記事は,私にとって非常に衝撃的な記事でした。 その記事は,古風な仮名文字を使って現存資料にない和歌を記した古筆切の用紙が,10世紀末から11世紀初めにかけての,紫式部や清少納言らが生きていた…

大阪府高槻市の安満宮山古墳の見学

3月2日,友人の葬式からの帰り道,別の友人を見舞うついでに,葬式に一緒に行ったМ君に案内されて,彼の弟さん(有名な考古学者)が発掘担当したという安満宮山古墳(あまみややまこふん)の復元遺構を見学に行って来ました。 安満宮山古墳は,大阪府高槻市公…