#その他文学
最近、久し振りに和歌山県古座川町に行き、ジオパーク、クマノザクラがらみの写真撮影旅行で、古座川流域に聳え立つ「少女峰」(標高150m)の写真を何気なく撮ってきました。3月24日のことです。 それにちなみ、かつてH氏に頼まれ、古座川町の民話を脚色し…
昨日,「朝日新聞」2009年3月5日付けの文化欄に書かれた記事は,私にとって非常に衝撃的な記事でした。 その記事は,古風な仮名文字を使って現存資料にない和歌を記した古筆切の用紙が,10世紀末から11世紀初めにかけての,紫式部や清少納言らが生きていた…
少女峰物語〔古座川町の民話〕 古座川の月の瀬という村の近くに,少女峰という高い垂直の山がそびえています。村の人はその山を十七夜岳とも呼んでいました。 今から五百年の昔,少女峰の麓に大屋源次郎という男が家族とともに住んでいました。その大屋の家…
滝の拝太郎〔古座川町の民話〕 昔,古座川の小川という所に,滝の拝太郎という釣りの好きな男が住んでいました。 ある日,太郎は滝に釣りに行きました。魚を釣っているうちに誤って刀を滝壺に落としてしまいました。 「しまった!」 と思って急いで服を脱いで…
重畳山の牛鬼〔串本町・旧古座町の民話〕 昔々,いつの頃かはっきりわからないが,聖地重畳山に身体中に黒い毛がはえている牛鬼という恐ろしい魔物がやって来て住みついてしまいました。 それで集落の者たちは牛鬼を恐ろしがって,誰も山に近づきません。そ…
鯛島と青暑島〔串本町・旧古座町の民話〕 昔々,川の水が温かくなってきた春の古座川口近くの海岸で,鯛の子と蛇の子が仲良く毎日遊びたわむれていました。そして,年を重ねるにつれて,いつしかお互いに恋心をいだくようになり,やるせなさと不安が積もって…