紀伊一ノ宮―日前宮― №② 国懸神宮

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

 次に、左の日前(ひのくま)神宮から数百m離れた場所にある右の国懸神宮(くにかかす)について紹介します。よく見ると、建物そのものは日前神宮のそれとそっくりです。

 日前神宮の祭神・日前大神御神体日像鏡ですが、国懸神宮の祭神・国懸大神の御神体日矛鏡(ひほこのかがみ)です(日前宮の『国造家旧記』)。つまり、国懸神宮は、天の岩戸に隠れた天照大神を招き出すために使った鏡を祀る社だったようです。

 日前宮の東に接する市立日進中学校付近(秋月東遺跡)から、弥生時代古墳時代以降の集落跡が発見されています。どうやら、この地域は当時の集落地域だったようです。

 国懸大神は「くにかかすおおかみ」と読む、つまり「くにかがやかすおおかみ」という意味を持つと考えられ、日前大神とは別神のように思われますが、最近の研究によりますと、紀伊一ノ宮・日前宮は、日前・国懸神宮とも呼ばれているように、「日前(檜隈)に坐す国懸神社」とでも称すべき2座型の1神社と見なされているようです(『和歌山県の地名』)。
 
 もっとも、私は、国懸大神は本来、日前大神を奉祭する部族に先行してこの地にいた部族によって奉祭されていた神であった、と考えていますが・・・・。、