2006-07-01から1ヶ月間の記事一覧

澤田ふじ子著『祇園社神灯事件簿・お火役凶状』

澤田ふじ子著『祇園社神灯事件簿・お火役凶状』を読み上げました。時代小説といえば,江戸を舞台としたものが多い中で京都を舞台にしたものは少なく,この作家の書く本をいつも楽しみにしています。 シリーズものということで,人物紹介が毎回繰り返されるの…

御師研究の進捗状況

御師研究の進捗状況 11月の某学会で発表し(僅か20分),機関誌に投稿する予定の下原稿を半分書き上げました。たとえ完成しても全体構想の何分の一にしかあたりませんが,見通しを付ける意味で最初の論文は非常に大事になります。 全力を尽くそうと思っている…

真保裕一『栄光なき凱旋 上下』読了

今朝やっと,真保裕一『栄光なき凱旋 上下』を読み終えました。 この本は,太平洋戦争の最中の日系人の苦悩と置かれた立場を,その心理状態にまで立ち入ってえがいた読み応えのある小説です。しかも,スリルとサスペンスもありますし,文字通り今のところ真…

夢の話

〔閑話休題〕 今日,地域史研究会の例会があるのを忘れていました。幹事さん,申し訳ありません。 催促を先ほど確認しました。気がつくのがおそく,これからだと会も終ってしまうので,行くことを諦めました。県南から県北までは,いくら高速道路を使っても…

熊野那智出身の地藏上人と足利市「龍泉寺」

〔閑話休題〕 これは,ウェブサイト「新史跡草子」の主催者AY氏から教えて頂いた資料(昭和3年版『足利市史』)です。もとより伝承ですが,実に面白く,「ベアーフィールド」研究者某としては,一度調査に行く必要がある,と思い,この夏に行って調べてくる…

研究活動

〔閑話休題〕 研究活動は慎重であるべきでしょうが,臆病であってはいけませんね。 昨日出あった先生方から本当に益になることを教えていただきました。そして,勇気をいただきました。 一晩,ぐつすり寝て,さらにやる気があふれてきました。ありがとうござ…

つかれた

〔閑話休題〕 今日の業務を無事はたし,先ほど帰ってきたところです。 上手くいけば,9月に家族で祝賀会ができそうです。 でも上手くいかなかったらどうしよう。残念会でもやりますか。 ついでに,今日,サマー・ジャンボ・宝くじを買ってきました。3億円…

今日,明日,明後日そして近未来。

〔閑話休題〕 いよいよ夏休みに入りました。体調も良さそうなので,休みを取って,歴史情報収集のため,関東地方に出かけてこようと思っています。 何で行こうかな。電車にしようか,それとも車にしようか,頭を悩ませています。電車の方が安いのですが,暑…

「宝阿弥陀仏」とは誰か?

〔閑話休題〕 今,もっとも頭を悩ませていることが1つあります。それは,ある弘法太子坐像についてです。 和歌山県岩出町の弘法太子坐像(熊野三御山大仏師良円の作像)の胎内銘の寄進者筆頭に,「宝阿弥陀仏」という法名が記載されています。私は胎内納入物…

熊野別当「湛増」のイメージ試作

これは,あるサイトの主催者AY氏とのインターネット対話から生まれた文です。対話の目的は,湛増を漫画的・劇画的に描くためのイメージを作るためのものでした。 ①,湛増(1130~1198)は官僧ですので、公式行事の際の正装としては五条袈裟を着用していたと…

『とはずがたり』の著者二条と中世前期の那智御師

『とはずがたり』の著者二条と中世前期の那智御師 昨日から,熊野情報収集のため,久我雅忠女である後深草院二条の『とはずがたり』(福田秀一校注『新潮日本古典集成・とはずがたり』〈1978〉)を読んでいます。二条という女性は魅力的な女性ですね。 嘉元3…

セミのごとく。

〔閑話休題〕 夏ですね。セミがさかんに鳴いています。長い間土の中に閉じ込められていた鬱憤を晴らすかのように激しく鳴き続けています。 私も口頭諮問の日が近付いてきました。長く続けてきた研究レヴェルから次の研究レヴェルにステドアップするため,こ…

決意

〔閑話休題〕 各地の高校野球の予選を見ていたのですが,負けた高校の中に普段の生活ぶりがあらわれた負け方をする高校があって,嫌になりました。下級生に期待するしかないですね。でも,引退した上級生が問題を起こして彼等の未来を暗いものにしてしまわな…

熊野別当「教真」伝説の余波!!!!

ここ十数年,熊野三山を統轄・支配していた熊野別当が日本史研究の上でどのように扱われているか興味を持ち調査してきました。 特に18代別当湛快とその次男の21代別当湛増,さらには湛増の義母に当たる鳥居禅尼(湛増は彼女の娘婿)の扱われ方に不当なものを感…

エクセルって,大変!!

〔閑話休題〕 夕食後少し眠った後,昨晩から今朝にかけて,たまっていた仕事関係の書類をエクセルで書き続けていました。ワードはよく使うので問題はないのですが,エクセルはふだんほとんど使っていませんので,大変でした。 幸い次女がコンピュータ全般に…

今日もまた・・・・

〔閑話休題〕 今朝は激しい風と横殴りの雨で始まりました。大事にしている鉢植えの大谷渡りがひっくり倒され,ずぶ濡れになりながら復原作業をしました。 ニュースを見ると,あちこちで土砂災害の兆候が見られるとのこと。色々な面で日本国崩壊の危機が明ら…

茗荷豊作,万歳!!

〔閑話休題〕 今年は茗荷が豊作です。庭の片隅に設けた畑から大量の茗荷が取れました。 農協に出してもいいくらいまだたくさん芽が隠れていましたが,蚊に血を吸われつつ,取り敢えず30個ほど収穫し,家人に赤紫蘇漬けけするように依頼しました。 毎年,自分…

歴史を書くという事

〔閑話休題〕 ある必要から,今改めて自分の著作を読み返しています。 そのつど,色々な発見がありました。その時はきちんと書いたつもりでしたが,文意の通らない文章や,難解で起承転結のはっきりしない文章,自らの単純な校正ミスなどが目につきました。…

熊野別当「湛増」略伝

熊野別当「湛増」略伝 平安時代末期から鎌倉時代初期にかけて活躍した熊野本宮の社僧・御師。後に熊野別当に任ぜられる。 生年:西暦1130年。没年:西暦1198年。 熊野本宮常住の18代熊野別当湛快の次男。母親は不明。源為義女の「たつたはらの女房」(「鳥居禅…

串本海中公園とラムサール条約

〔閑話休題〕 昨日,お腹の大きい娘に頼まれて孫と一緒に串本の海中公園に行ってきました。 かんかんと陽の照りつける暑い中を,約2時間かかって亀を見てきました。孫が特に亀が好きなので,娘が動けるうちに行ってこようということで行ってきました。 串本…

熊野「鳥居禅尼」略伝

熊野「鳥居禅尼」略伝 「鳥居禅尼」は,源為義の娘で,源義朝(1112~1160)の姉に当る(『吾妻鏡』建久5年〈1194〉9月23日条)とも、妹に当るとも言われている女性である。。鎌倉幕府の初代将軍頼朝の伯母でもある(『吾妻鏡』貞応元年(1222)4月27日条)。なお…

那智の火祭り

〔閑話休題〕 今年も那智の火祭りを見損ないました。 約1万人の観光客がこの勇壮な熊野那智社の神事を見守ったそうですが,比較的近くにいながら仕事の関係からいつも見損なっています。 来年こそ見に行くぞ,といつも決意するのですが,やはりこの時期は格…

阪本敏行『熊野三山と熊野別当』(清文堂出版,2005年)

阪本敏行『熊野三山と熊野別当』(清文堂出版,2005年) 序論 熊野三山・熊野別当家研究史と本書の構成 一,熊野三山・熊野別当家研究史 1 一九七〇年代以前の研究 2 一九七〇年代から一九八〇年代にかけての研究 3 一九九〇年代から二〇〇〇年代にかけての…

僻地のすばらしい石垣

〔閑話休題〕 近年,地方の村々の豪農の石垣を捜し歩いています。 ごく最近,新宮市熊野川町西敷屋から奥に1つ峠を越した所にある集落を訪ねてきました。 その中ですごい石垣のお屋敷を見つけてきました。持ち主の名前がまた素晴らしい。一軒は平屋敷家,も…

孫来る!!

〔閑話休題〕 暑いですね。久し振りに長女が孫を連れて帰ってきました。 といっても,休みで帰ってきたわけではありません。新しい孫を産むために帰ってきたのです。 とはいえ,この夏を過ごし,残暑の中で子供を産むには故郷は暑過ぎます。 でも,久し振り…

「熊野の御師」研究其7

康正三年(一四五七)九月八日付けの「播磨国坂越檀那願文」に,本宮御師として「色屋(敷屋)半左衛門御方」が登場している。 本宮御師願文事 合 右,色屋半左衛門御方へ披面相違無可参者也,仍願文,如件 康正丁丑九月八日 播州坂越長楽寺住 如意坊 良清(花押)…

根来寺報告会のおしらせ

和歌山地方史研究会根来寺部会と紀伊考古学研究会との共催で下記の日程で報告会がおこなわれます。興味ある方々は是非ともご参加ください。 日時:2006年7月27日(木) 午後7時~ 会場:和歌山市あいあいセンター (和歌山市役所西約300m)3階(会…

杉中浩一郎編『祖父母の明治期回顧』を推薦します。

『熊野の民俗と歴史』(清文堂・1998年)の著者として著名な杉中浩一郎先生(前・紀南文化財研究会会長)が『祖父母の明治期回顧』を出版された。 その内容は,先生の祖父にあたる杉中藤蔵氏の「逢坂峠・近露懐旧談」,祖母に当たる杉中と志氏の「近露での民謡三…

城川 隆生『丹沢の行者道を歩く』と城川 隆生編『中世の丹沢山地史料集』を推薦します。

私の下手な推薦文よりも,サイトに載せた本人の素晴らしい挨拶文を引用しておきます。 「このサイトは神奈川県丹沢山地にまつわる中世期の史料(歴史資料)を紹介しています。作成者は、山岳宗教者の活動がもっとも顕著だった「中世」の大自然にどのような宗…

縄文時代の和歌山県「旧南部町」歴史雑感 №Ⅰ

①,縄文時代以前の南部 縄文時代以前の時代(一万二〇〇〇年前以前)は,日本では一般的に先土器時代(この先土器時代という呼称は,あくまでも日本でだけの呼び方であり,世界考古学では,この時代のことを旧石器時代・新石器時代)とよんでいる。 しかし,現在…