仏像・神像

市鹿野城跡内の秋葉神社のこと

市鹿野城跡内の南側は、近世に入ってから秋葉神社の敷地になったようで、現在、祠(殆ど破壊されその原型をとどめていません)と、その傍に石像が3体並立して祀られています。 一番右側には役行者石像が・・・・。 そして、真ん中には本尊の蔵王権現石像が…

訃報。謹んでご冥福をお祈りいたします。

今日、関西地方に住む大学時代の友人・K君のお母様が8月中旬に関東地方でお亡くなりになり、既にお葬式をお兄様の住む関東地方で済まされたとのニュースがもう一人の友人からもたらされました。 思いがけぬ訃報でした・・・・。 明日、ちょうど所用があっ…

新羅仏、そしてついでに、メッセネ・フィガリア国際共同調査シンポジウムについて

素晴らしい新羅仏ですね。ぞっこん惚れ込みました。いつまでも観ていたいです(笑)。 写真提供は甍堂さんです。感謝します。 熊本大学ギリシア古代建築調査団 メッセネ・フィガリア国際共同調査シンポジウム 「ギリシア古代都市を掘る」 主催 熊本大学ギリシ…

観福寺(臨済宗)の千手観音菩薩坐像

お彼岸にちなみ、我が家の菩提寺である和歌山県白浜町高井の観福寺(臨済宗)の千手観音菩薩坐像を紹介します。 江戸時代に修復されたようですが、鎌倉時代末期に造立されたと伝承される仏像です。なお、この寺院も熊野別当家一族と関係深い寺院です。

毘沙門天立像印仏と御影史学研究会の10月例会の御案内

写真① 奈良県の中川寺に伝来していた毘沙門天立像の像内納入の印仏(版画の一種)です。印仏の中には,応保二年(1162)の銘のあるものもあります。高約18㎝あります。 写真② 御影史学研究会の10月例会の御案内です。よかったらお出かけ下さい。

中国山東半島出土の石雕仏立像と石雕仏坐像

この2体の石雕仏立像(写真①)と石雕仏坐像(写真②)は,石雕三尊仏の本尊で,時代は違いますが,昨日見ていただいたような脇侍菩薩立像を左右に従えていたと推定されています。 この石雕仏立像と石雕仏坐像は,昨日の菩薩立像と同様,ともに中国山東省の龍華寺…

中国山東半島出土の菩薩立像

この菩薩立像は,1996年に中国の山東省青州市の龍華寺遺跡から出土したものです。この菩薩立像は,正式には彩絵石雕脇侍菩薩立像とよばれています。 この脇侍菩薩立像の像高は,112㎝です。 石灰石製で,北魏時代から東魏時代(6世紀前半頃)にかけて制作され…

岩屋山石龕寺の金剛力士立像

最近,熊野修験道に関係した寺院・神社の個別的研究を進める中で兵庫県内の寺社に注目しています。 中でも,岩屋山石龕寺(いわやさんせきがんじ)は,兵庫県氷上郡山南町岩屋にある6世紀頃に聖徳太子によって建立された古刹としてよく知られています(後に真…

陶器の仏像

一見すると石製の仏像のように見えますが,実は陶器の仏像です。 唐の初期(7世紀前半期,日本でいうと飛鳥時代)に制作されたもので,高さは58㎝です。 仏像や周りに貼り付けられた動物を日本のそれと比べてください。何か変わっているでしょう。 『浦上蒼穹…

上杉謙信遺品の毘沙門天画像

上杉謙信の戦勝祈願仏である毘沙門天像を探し求めているうちに,かつて新婚旅行(家人はこの新婚旅行のことをまるで歴史の研修旅行のようだったと文句を言い続けています)の時に寄った米沢の上杉神社のことを思い出しました。 この毘沙門天画像は,上杉神社に…

上杉謙信の戦勝祈願仏である毘沙門天像

NHKの大河ドラマ『天地人』がいよいよ始まりました。 以前,春日山城跡めぐりをした時に,上杉謙信の戦勝祈願仏である毘沙門天像を安置していた毘沙門天堂(復原)の写真を見ていただきましたが,何人かの人がそこに安置されていた毘沙門天像を観てみたいと…

発掘された,12世紀頃の神像

今日,2008年11月11日付けの朝日新聞の一面に興味ある記事が出ていました。 この神像は,滋賀県西部浅井町の塩津港遺跡の神社遺構から発掘された,12世紀頃の神像ですが,その肢体に非常に興味を惹かれています。 現物を見に行きたいのですが,ちょっと遠い…

田辺市海蔵寺の菩薩形坐像(「伝弁慶観音」)

田辺市の海蔵寺(臨済宗妙心寺派)の観音堂(江戸時代初期創建)に,「伝弁慶観音」として有名になった菩薩形坐像が安置されています。 この菩薩形坐像については,これを聖観音菩薩坐像と主張する見解もあります。私もそう考えています。 楠材を一木割矧ぎによ…

海南市の藤白神社所蔵の三尊仏

和歌山県海南市の藤白神社は,熊野街道沿いにあります。藤白神社は,熊野五体王子神社の1つに数えられた藤代王子神社の地に建てられています。そのため,古くから「熊野一の鳥居」と呼ばれ,熊野三山の遥拝所とされていました。 その藤白王子権現本堂には,…

三重県四日市市善教寺の阿弥陀如来像

この阿弥陀如来立像(1枚目の写真)は,三重県四日市市の善教寺に安置されている阿弥陀如来立像です。 この仏像は,像内から納入品が発見されたことと,これらの納入品から,この仏像が願主である北伊勢地方の武士(従4位下,筑後守)であった藤原実重の熊野信…

田辺市千福寺の十一面観音菩薩像

芳養川流域は,平安時代後期以降,石清水八幡神宮領芳養庄に所属していました。 田辺市上芳養日向(ひなた)の千福寺は,中芳養の芳養八幡神社の別当寺・鷲峯寺(古義真言宗)5院の1つであったと云われていますが,元々日向明神社の別当寺であったようです。 …

田辺市中芳養の泉養寺所蔵阿弥陀三尊坐像について

写真の阿弥陀三尊像は,和歌山県田辺市中芳養にあります泉養寺(西山浄土宗)の本堂に客仏として安置されている3体の仏像です。一括して県文化財に指定されています。 なお,これらの仏像は,明治の神仏分離政策により,芳養八幡神社の別当寺であった鷲峯寺か…

長沢蘆雪の楊柳観音の掛け軸

昨日は,この暑さの中で少しでも涼しくなっていただくため,18世紀頃活躍した長沢蘆雪の幽霊の掛け軸を御覧いただきました。 本日は,それを忘れていただくため同じ長沢蘆雪の楊柳観音(ようりゅうかんのん)の掛け軸をのせさせてもらいます。 この掛け軸は,…

細見美術財団蔵の「熊野十二尊本地懸仏」

この作品は,鎌倉時代末期に制作された細見美術財団所蔵の「熊野十二尊本地懸仏」で,懸仏を代表する名品中の名品といわれています。 懸仏とは,近代以前の神仏習合時代の日本において,神社の本地仏を取り付けた鏡形の金属板を神殿内などに懸けて崇拝の対象…

浜ノ宮・補陀洛山寺の二天立像

那智勝浦町の補陀洛山寺は,元来,千手堂とよばれていました。そこには平安時代中期(10世紀後半~11世紀前半)の二天立像(広目天立像・多聞天立像〈県指定文化財〉)と,平安時代後期(11世紀~12世紀)に制作された本尊の千手観音立像(国重要文化財)が安置され…

イスタンブール博物館所蔵のヘルムアフロディテ神像

この神像彫刻は,ヘレニズム時代のペルガモン(現在のベルガマ)都市遺跡から出土した,紀元前3世紀制作のヘルムアフロディテ神像です。 おやっと思いませんか。このヘルムアフロディテ神像,なんか変ですね。 ヘルムアフロディテは,ギリシア神話を代表する…

田辺市中辺路町温川にある西光寺蔵の阿弥陀如来立像

この阿弥陀如来立像は,和歌山県田辺市中辺路町温川(ぬるみがわ)にある西光寺本堂の阿弥陀堂に安置されている仏像です。 これまた昨日の仏像と同じく傷みが激しく見えますが,虫に食われているのは漆箔の部分だけで木材内部は足部を除いてあまり被害を受けて…

田辺市中辺路町近露にある見松寺蔵の阿弥陀如来坐像

この阿弥陀如来坐像は,和歌山県田辺市中辺路町近露にある見松寺本堂の脇壇に安置されている仏像です。かなり傷みが激しいですが,田辺市文化財に指定されています。 中辺路の中間地点にあたる近露宿には,近露王子社が置かれ,平安時代末期(12世紀末期)には…

那智勝浦町大泰寺本堂安置の地蔵菩薩坐像

これは,和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の大泰寺本堂に安置されている南北朝期制作の地蔵菩薩坐像です。 像内に制作時期を知らせる貞和三年(1347)五月一日の銘文と,これを造立させた「願衆」を代表して「道山」「道釈」の名前が記されています。 また,像内の…

熊野那智大社の男神坐像

現在の熊野那智大社には,たくさんの宝物があります。その中で近年,和歌山県立博物館学芸員の大河内氏や高木氏などによって発見された,平安時代後期(12世紀)の男神坐像を紹介します。 この神像は,衣冠束帯の姿で表わされています。もちろん,一木から制作…

中国山東半島出土の仏陀立像

この写真は,昨日紹介した菩薩立像と同様,中国山東半島の龍華寺遺跡から出土した仏陀立像の写真です。 像高は,116.0㎝。 石灰石製で,菩薩立像が製作された時期よりもややおくれた北斉時代(6世紀後半頃)に制作されたようです。山東省の青州博物館所蔵の仏…

中国山東半島出土の菩薩立像

この写真は,昨年度末に滋賀県のMIHO MUSEUMから中国の山東省に寄贈された菩薩立像の写真です。 この菩薩立像の像高は,120.5㎝。 石灰石製で,北魏時代から東魏時代(6世紀前半頃)にかけて制作されたようですが,かつて山東省の龍華寺遺跡から出土したこと…

韓国・慶州市内南面拝里の3体石仏

場所は,韓国・慶州市〈かつての新羅王国の首都のあった場所〉。 南山の麓にある,有名な内南面拝里の3体石仏像を拝観するため,松林に囲まれた山寺にやってきました。 この3体石仏像は丸彫りの石仏像です。中央の釈迦如来像は,像高2・75mあります。左…

パキスタンの弥勒菩薩立像

この仏像は,パキスタンのガンダーラ出土の弥勒菩薩立像です。 クシャーナ王国時代(2世紀頃)のものです。 弥勒菩薩立像は,失われた純正な仏法を立て直すために,将来,出現する仏であり,ふだんは兜卒天上に住んでいる菩薩と考えられています。 右手は欠失…

韓国の如来坐像

この仏像は,韓国の鉄造如来坐像です。忠南瑞山の普願寺跡から出土したものです。 朝鮮半島に建国していた統一新羅王国の時代,8世紀から9世紀にかけて制作されたとされていますが,私は少し後の高麗時代初期(10世紀)に制作されたと考えています。 その鋳…