浜ノ宮・補陀洛山寺の二天立像

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 那智勝浦町の補陀洛山寺は,元来,千手堂とよばれていました。そこには平安時代中期(10世紀後半~11世紀前半)の二天立像(広目天立像・多聞天立像〈県指定文化財〉)と,平安時代後期(11世紀~12世紀)に制作された本尊の千手観音立像(国重要文化財)が安置されています。

 後者の本尊については既に2回にわたって紹介していますので,ここでは本尊よりも古い時期に作られた前者について紹介したいと思います。

 1枚目の写真は,本尊の左手で塔を掲げて立つ脇侍仏の多聞天立像の写真です。

 2枚目の写真は,本尊の右手で鉾を取り経を手にして立つ脇侍仏の広目天立像の写真です。

 大河内氏によりますと,これらの二天立像は,紀南地域にある天部形像として最古の作例だそうです。

 和歌山県立博物館編『世界遺産登録記念特別展 熊野・那智山の歴史と文化-那智大滝と信仰のかたち-』(2006)より写真を掲載させていただきました。