那智勝浦町大泰寺本堂安置の地蔵菩薩坐像

イメージ 1

 これは,和歌山県東牟婁郡那智勝浦町の大泰寺本堂に安置されている南北朝期制作の地蔵菩薩坐像です。

 像内に制作時期を知らせる貞和三年(1347)五月一日の銘文と,これを造立させた「願衆」を代表して「道山」「道釈」の名前が記されています。

 また,像内の背面には,「洛陽大仏工 法眼弘教 再興之」と記され,さらに像の背面には朱字で「大田庄村 無償山宝珠寺本尊 地蔵菩薩」とも記されています。

 この地蔵菩薩坐像は,元来,近隣の大田庄村にあった大泰寺末寺の宝珠寺の本尊であったことがわかります。

 なお,仏像の写真は,和歌山県立博物館編『世界遺産登録記念特別展 熊野・那智山の歴史と文化-那智大滝と信仰のかたち-』(2006)より掲載させていただきました。