中国山東半島出土の石雕仏立像と石雕仏坐像

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 この2体の石雕仏立像(写真①)と石雕仏坐像(写真②)は,石雕三尊仏の本尊で,時代は違いますが,昨日見ていただいたような脇侍菩薩立像を左右に従えていたと推定されています。

 この石雕仏立像と石雕仏坐像は,昨日の菩薩立像と同様,ともに中国山東省の龍華寺遺跡から出土したものです。
 この2体の石雕仏像は,正式には各々,貼金彩絵石雕仏立像と貼金彩絵石雕仏坐像とよばれています。現在はかなり落ちていますが,元来,頭・顔・首・手・足などには金が貼られていたようです。

 石雕仏立像の像高は,97㎝で,石雕仏坐像の像高は,62㎝です。衣装の違いが明らかですね。
 ともに石灰石製(青石)で,北斉時代(6世紀後半頃)に制作されたようです。

 北斉の石雕仏像は,仏像としての洗練度は高く,北魏仏に比べてバランスがとれているといわれています。
 
 『目の眼』273号(1999年)から写真を掲載させていただきました。