田辺市の
海蔵寺(
臨済宗妙心寺派)の
観音堂(江戸時代初期創建)に,「伝弁慶観音」として有名になった菩薩形坐像が安置されています。
この菩薩形坐像については,これを
聖観音菩薩坐像と主張する見解もあります。私もそう考えています。
楠材を一木割矧ぎによって制作しているようですが,制作された時代は,
鎌倉時代後期と推定されています(石川知彦氏説)。
しかし,この仏像は元来,闘鶏神社の神宮寺であった覚方寺に伝来していたようです。
この写真は,『祈りの道-吉野・熊野・高野の名宝-』(2004)より掲載させていただきました。