田辺市中芳養の泉養寺所蔵阿弥陀三尊坐像について

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 写真の阿弥陀三尊像は,和歌山県田辺市中芳養にあります泉養寺(西山浄土宗)の本堂に客仏として安置されている3体の仏像です。一括して県文化財に指定されています。

 なお,これらの仏像は,明治の神仏分離政策により,芳養八幡神社別当寺であった鷲峯寺から移されてきたものと思われます。

 1枚目の写真は,中尊の阿弥陀如来坐像です。像高約89㎝です。両手で定印を結び,右足を上にして結跏趺坐しています。

 2枚目の写真は,左脇侍の観音菩薩坐像です。像高約84㎝です。左手で蓮華を持ち,右手で開運華相を表わし,結跏趺坐しています。

 3枚目の写真は,右脇侍の勢至菩薩坐像です。像高約84㎝です。両手で合掌し,結跏趺坐しています。

 精査した大河内智之氏は,制作時期を14世紀前半,鎌倉時代末期から南北朝時代にかけての時期に設定しておられます。

 仏像の写真は,大河内智之「泉養寺阿弥陀三尊像と石清水八幡宮領芳養荘」(『和歌山地方史研究』47号,2004)より掲載させていただきました。感謝申し上げます。