中国山東半島出土の仏陀立像

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 この写真は,昨日紹介した菩薩立像と同様,中国山東半島の龍華寺遺跡から出土した仏陀立像の写真です。
 像高は,116.0㎝。
 石灰石製で,菩薩立像が製作された時期よりもややおくれた北斉時代(6世紀後半頃)に制作されたようです。山東省の青州博物館所蔵の仏像です。

 この仏陀立像は,前代に作られた菩薩立像などとは違って,丸い顔と,ゆったりとした薄い衣を通して露わにされた豊かな肉体を持っています。
 しかも,この仏陀立像では,菩薩立像と違って,装飾性が極力排除された表現法が採られています。

 造形的には,インドのグプタ王朝時代に遡る,官能的で愛らしさの漂う北斉様式の仏像の特徴がより強く表現されているといわれています。

 どうして,半世紀後に,急にインドの影響を蒙った官能的な仏像が作られるようになったのでしょうか?? 考えてみれば,不思議な話です。

 MIHO MUSEUM『中国・山東省の仏像―飛鳥仏の面影―』から掲載させていただきました。