日本史情報

写経切れの「大方広仏華厳経」の断簡と理源大師聖宝

会議が終わった後、すぐに帰って来ました。 仕事とはいえ、疲れました。まあ、ゆっくりと行って来まし たし、東京は珍しく涼しかったので、身体に変調はなかった です(笑)。、 今度は写経切れの「大方広仏華厳経」の断簡 を紹介します。 これは奈良時代末…

研究誌・研究成果報告書のご恵贈、ありがとうございました。

いつも全国の色々な研究機関やそこで研究しておられる学芸員の方々にお世話になっています。 今回は、神奈川県立金沢文庫の永井晋氏と西岡芳文氏から図録『中世の港湾都市六浦』(2009年)、研究成果報告書『金沢北条氏領下総国下河辺庄の総合的研究』(201…

いつの間にか散ってしまった花と、平安京文化研究会のお知らせ

庭の片隅に咲いていたはずのボタンの花がいつの間にかなくなっていました。あのボタンの花、いつ散ってしまったんでしょうね。 次の平安京文化研究会例会のお知らせです。事務局の山本一也氏から連絡がありました。 例会前に神戸市で福原京関連遺跡の見学会…

栗栖郷と村君氏

前回に引き続き、『大塔村史』に書かせてもらった原稿(初稿)の一部を載せさせてもらいます。 写真(『和歌山県史 原始・古代編』より掲載)にあるように、薬を包むためにくちゃくちゃに丸められて破棄される可能性もあった正倉院文書の中に、牟婁郡出身の…

著作と論文、ご恵贈御礼。

西行学会会長で上智大学教授の西澤美仁先生から、西澤美仁編『西行―魂の旅路―』(角川ソフィア文庫、2010)をご恵贈いただきました。感謝申し上げます。 この本の中で、編者は「平安時代末期、武士の路を捨て、家族を捨て、ただひたすら和歌の道を究めるため、…

熊野の国の元の領域とは??

今日、白浜へ墓参りに行って来ました。途中、田辺市芳養川畔で紅梅を見掛けました(1枚目の写真)。白梅ばかり咲いている中で、たった一本しかない紅梅が目立っていました。 ようやく、頼まれ原稿を1つ書き上げました。 大化の改新(7世紀中頃)以前、紀伊…

同志社大学から寺町通りを南下。

1月10日夕方、同志社大学今出川キャンパスから(1枚目の写真)今出川通りを東に向かい、交差点を右折し寺町通りをゆっくりと南下。 2枚目・3枚目の写真は、廬山寺(円浄宗)の山門と本堂を写したものです。10世紀中ばに創建されたこの寺は、近世初期にここに…

竹田城跡 №2

息子によると,1989年,角川映画『天と地と』の撮影のため、一時的に国の許可を得て国史跡の竹田城跡の上に一時的に期間限定で春日山城を見立てた城が再現されたそうです。 膨大な量の発泡スチロール製の部材と瓦6万枚などおよそ420tの資材をヘリコプターで…

来月,『山岳信仰と高野山』展開催。

和歌山県高野山霊宝館で,10月3日(土)から12月13日(日)まで,『山岳信仰と高野山』展が開かれます。 「弘法太子空海は,阿波の大瀧嶽,土佐の室戸岬,大和の金嶽(金峯山)などで厳しい山岳修行を行い,この体験をもとに真言密教の道場として高野山を開創」し…

再建された和歌山城

和歌山城は,天正13年(1585)に紀州を平定した豊臣秀吉の弟の秀長が家来の藤堂高虎に命じて虎伏山に築城させたものです。 最初,秀長の城代として桑山重晴が入っていましたが,ついで慶長5年(1600)の関ヶ原の戦いで功を上げた浅野幸長が入城してきました。 …

「熊野三山の至宝」展開催と『和歌山地方史研究』57号(2009年8月)発行のおしらせ

「熊野三山の至宝」展が,2009年9月8日から10月18日まで,和歌山県立博物館で開催されています(写真①)。興味ある方はご覧になって下さい。 ところで,和歌山地方史研究会は,『和歌山地方史研究』57号(2009年8月)を発行しました(写真②)。その主な内容は以…

『徳島県の歴史散歩』(山川出版社)が発刊されました。

全国歴史散歩シリーズの第36巻目として,徳島県の歴史散歩編集委員会編『徳島県の歴史散歩』(山川出版社,2009年,本体1200円)が発刊され,早速,編集に関わった畏友の長谷川賢二氏からご恵贈を受けました。 監修は高橋啓氏。執筆したのは,文化財行政担当者…

美術館見学と講演会・例会への出席

写真①の花は,我が庭に咲く名もなき花です。・・・・名もなき花というのは嘘で,実は私がその花の名を知らないだけです。 明日から京都と神戸へ行って来ます。 京都では,細見美術館(写真②)で個人コレクターグループの「あこがれの白いやきもの」展を見てか…

『中世都市根来寺内周辺における荘園景観の復原研究』をご恵贈いただきました。

我が家でもムクゲのピンク色の花とアガバンサスの青い花とが咲き誇っています。 和歌山大学教育学部教授で研究者代表の海津一朗氏から『中世都市根来寺内周辺における荘園景観の復原研究』(2009)をご恵贈いただきました。 謹んで感謝申し上げます。 以下,目…

「熊野山領和泉国吉見庄」の研究。

アジサイの季節です。昨日,カシワバアジサイの写真を見ていただきましたが,その傍に「墨田(隅田)の花火」とよばれるアジサイがひっそりと咲いているのを見つけました。 そういえば,かつて隅田川の花火を見た時,このような花火があったっけ・・・・。 花…

『和歌山県の歴史散歩』発刊

和歌山県高等学校社会科研究協会編『和歌山県の歴史散歩』(山川出版社,2009年,本体1200円)が全国歴史散歩シリーズの第30巻目として発刊されました。 執筆したのは,元職・現職を含む15名の高校教員(市ノ瀬伊久男,岩倉哲夫,岡本俊史,小山誉城,阪口寿宏…

次回の平安京文化研究会のご案内

山本一也さんから,次回の平安京文化研究会の案内がきました。 京都駅からすぐの大変アクセスのよい会場だそうです。多くの皆様の御参加をお待ちしております。 ○ 時 5月17日(日) 13時~17時(時間厳守でお願いします) ○ 所 京都市アバンティホールの…

楠木正成ゆかりの場所を簡単にめぐる

友人の葬式に参列するためにT市へ行った序に,眠気ざましと朝食のため,朝早く楠木正成ゆかりの場所を簡単に廻って来ました。 まず,楠木正成生誕地へ行き(1枚目の写真),参拝して来ました。近くに道の駅や郷土資料館が設けられていましたが,早朝のため店…

白浜町(旧日置川町)出身の蘭方医・小山肆成顕彰会について

つい先日,白浜町(旧日置川町)出身の蘭方医・小山肆成(こやましせい)顕彰会が結成されました。 小山肆成に関して,私達が共同執筆した『新版和歌山県の歴史散歩』(新全国歴史散歩シリーズ,山川出版社,1993)には,「小山肆成は若くして京都に遊学し,医術を…

長野県上田市の国宝・安楽寺八角三重塔(日本で唯一)で今年を締め括ります。

今年(2008年)もいよいよ終わりですね。 写真は長野県上田市にあります,国宝の安楽寺八角三重塔(日本で唯一)です。今年,最も感動した建物です。写真を版画のようにデフォルメして掲載しています。 私のブログを見ていただいた皆さん,私のブログにコメント…

名古屋大学比較人文学先端研究・シンポジウムが開催されました

名古屋大学文学部研究科において,12月20日から21日にかけて名古屋大学比較人文学先端研究・シンポジウムが開催されました。 「室町期における修験道の儀礼再興と文化興隆」というテーマの下,次のような日程でおこなわれました。 12月20日(土) 10時30分 あ…

熊野牛王紙を使用した起請文

日本山岳修験学会からの帰途の旅のついでに,長野県上田市にあります生島足島神社に立ち寄ってきました。ここには国重要文化財に指定されている『生島足島神社文書』があり,その多く(88%)が熊野牛王紙(くまのごおうし)を使用した起請文(きしょうもん)であ…

国際熊野学会熊野例会「熊野奥駈修行の心を現代に」が開かれます。

国際熊野学会熊野例会「熊野奥駈修行の心を現代に」が,11月29日(土)から30日(日)にかけて,和歌山県田辺市本宮行政局3階会議室で開かれます。 11月29日(土) 13時30分~ 開会・セミナー ①「修験の聖地本宮の神仏習合世界」・・・・九鬼家隆(熊野本宮大社宮…

『特別展 没後四○○年 木食応其 ―秀吉から高野山を救った僧―』開催

木食応其(もくじきおうご,1536~1608)は,天正13年(1585)におこなわれた豊臣秀吉の紀州攻めの際に高野山を救った人物として日本史上に有名な人物です。 今年,木食応其の没後400年ということで,和歌山県立博物館において『特別展 没後四○○年 木食応其 ―…

有名な国宝「那智瀧図」

有名な,東京の根津美術館蔵の国宝「那智瀧図」(1枚目の写真)を紹介します。 海上からもその勇姿がおがめる那智の瀧は,飛瀧権現として神聖視された千手観音菩薩を本地仏とする国内最高の瀧です。 この「那智瀧図」は,鎌倉時代後期(13世紀末期頃)にその情…

『和歌山地方史研究』55号(2008年7月)が発行されました

和歌山地方史研究会は,『和歌山地方史研究』55号(2008年7月)を発行しました。その主な内容は以下の通りです。 本文の中で寺西貞弘氏が粉河寺の創建について論じていますので,最初の写真に国宝の『粉河寺縁起絵巻』の一部を取り上げてみました(絵巻の写真…

「謎の源氏物語絵巻を追う」の記事

『日本経済新聞』2008年7月27日付けの「謎の源氏物語絵巻を追う」の記事(記者は宮川匡司氏)に興味をひかれました。 写真を御覧ください。 名古屋市東区徳川美術館所蔵の「源氏物語絵巻・桐壺」(江戸時代前期の明暦元年<1655>に制作か)が世上の関心を広く集…

洪水が多発した平安時代

我が家では現在,私の大好きな白色や紅色のムクゲの花が咲き誇っています。 『朝日新聞』7月10日付けの文化欄の記事「歴史に探る気候変動 <中> 洪水が変えた平安時代」によりますと,「氷河期から温暖化して縄文時代を迎えた日本列島は,縄文の終わりごろ…

{『和歌山地方史研究』54号(2008年3月)が発行されました。

我が庭に可憐な花が咲いていました。小さい花です。上から接写しました。 でも,この可憐な花は何という花なんでしょうか。 和歌山地方史研究会は,『和歌山地方史研究』53号(2008年3月)を5月に発行しました。その主要な内容は次の通りです。 研究 前田 正…

国際熊野学会平成20年度総会のおしらせ

国際熊野学会平成20年度総会が,6月7日から8日にかけて,神奈川県藤沢市にあります時宗総本山遊行寺で開催されます。 興味を持たれる方は是非ともご参加ください。 「なお,私は総会参加のため,少し早く明日5日から,関東方面に向かい,我が子や孫そし…