名古屋大学比較人文学先端研究・シンポジウムが開催されました

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 名古屋大学文学部研究科において,12月20日から21日にかけて名古屋大学比較人文学先端研究・シンポジウムが開催されました。
 「室町期における修験道儀礼再興と文化興隆」というテーマの下,次のような日程でおこなわれました。

 12月20日(土)

  10時30分 あいさつ 阿部泰郎
  10時40分 報告 川崎剛志「熊野三山検校の系譜-山林修行と玉体護持-」
  11時40分 昼食
  13時30分 報告 大河内智之「新出の熊野三山文化財 2005-07 和歌山県立博物館特別展の成果」
  14時15分 報告 川崎剛志「滝本の秘書-寺門派修験道史の再構築-」
  15時00分 休憩
  15時30分 発表 阿部美香「後北条氏時代における聖地の再生-箱根山を中心に-」
  16時15分 報告 川崎剛志「都市の修験道文化」
  17時00分 終了

 12月21日(日) シンポジウム(司会・川崎剛志)

  10時15分 趣旨説明 川崎剛志
  10時30分 報告(1) 源健一郎「『平家物語』の諸本展開と修験道
  11時15分 報告(2) 天野文雄「本山派修験道寺院と本座田楽-文安三年の住心院における本座田楽の能興行をめぐって-」
  12時00分 昼食
  14時00分 報告(3) 大河内智之「熊野の室町時代彫刻-寛正年間の本宮造営を中心に-」
           1枚目の写真 寛正4年(1463)制作の不動明王像及び二童子
  14時45分 報告(4) 高岸輝「細川政元修験道と『槻峯寺建立修行縁起絵巻』の成立」
           2枚目の写真 『槻峯寺建立修行縁起絵巻』の一場面
           3枚目の写真 熊野信仰の影響による伝説上の三本足の烏の姿 
  15時30分 休憩
  16時00分 討論
  17時30分 懇親会

 まだかなり議論の余地もある事柄がいくつか残されていますが,「室町期における修験道儀礼再興と文化興隆」というテーマを考える上で非常に重要な問題提起がなされたと思います。
 予想はしていましたが,川崎剛志氏の各報告のうち「滝本の秘書-寺門派修験道史の再構築-」の報告と,それから国文学者の源健一郎氏(現在ある問題をめぐって阪本敏行氏と論争中の方です)と美術史家の大河内氏の報告には,核心に迫る論議が多く含まれていると感じました。そして,高岸輝氏の報告はまだ私も十分に消化しきれていませんが,文句なく面白い論点が含まれている報告であると感じ入りました。