有名な国宝「那智瀧図」

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 有名な,東京の根津美術館蔵の国宝「那智瀧図」(1枚目の写真)を紹介します。

 海上からもその勇姿がおがめる那智の瀧は,飛瀧権現として神聖視された千手観音菩薩本地仏とする国内最高の瀧です。

 この「那智瀧図」は,鎌倉時代後期(13世紀末期頃)にその情景を正確に描写したと推定される画像です。瀧が大きな響きを轟かせながら流れて行く様子が的確に描写されていますね(部分拡大した2枚目の写真)。

 この画像の左下(部分拡大した3枚目の写真)には,熊野御幸した最後の上皇といわれる亀山上皇が弘安4年(1281)に熊野御幸した際に拝殿(建物が二軒あります)の左側に建てた大きな碑伝(卒塔婆)も描かれています。拝殿には大杉が屋根を貫いて生えていますが,おわかりになるでしょうか。

 この写真は,『別冊太陽 熊野』(平凡社,2002)より掲載させていただきました。