読書遍歴日記

沢木耕太郎『旅する力-深夜特急ノート-』(新潮社,2008)を読み始めました。

沢木耕太郎『旅する力-深夜特急ノート-』(新潮社,2008)が発刊され,ついに『深夜特急』が完結しました。 『深夜特急』は1986年に1巻・2巻が,1992年に3巻が発刊され,未完のまま一大ブームを引き起こしドラマにもなりました。私も大いに熱中しました。…

池上彰著『ニュースの読み方使い方』を推薦します。

1994年から11年間,NHKの『週刊こどもニュース』のお父さん役として活躍した池上彰さんの『ニュースの読み方使い方』(新潮文庫,2007)を推薦します。税込みで500円です。 この本の中で,池上流の情報整理術・解釈術が全面公開されています。私達物書きに…

ミュリエル=バルベリ『優雅なハリネズミ』を紹介します。

『朝日新聞』でも推薦されていましたが,『優雅なハリネズミ』(早川書房,2008)を紹介します。フランスの作家・ミュリエル=バルベリの作品です。 老婦人ルネは,未亡人となった今もグルネル通り7番地の高級アパルトマン(日本の高級マンションにあたる)の管…

千葉望氏の『古いものに恋をして-「好き」を生きる女性たち-』を読み始めています。

今日,予定していた田辺市大塔村の村史執筆のための調査が明日に順延になったので,大阪のジュンク堂書店で買って来た教養本3冊(うち2冊は専門兼教養書のような本)を読むことにしました。 まず,帰りの電車の中で居眠りしながら読んでいた趣味の本。 千葉…

2代熊野三山検校「行尊」と西国三十三所観音巡礼

岡山市の就実大学教授・川崎剛志氏から,私が以前より強く希望しておりました科研報告書「山岳修行僧行尊の伝記と詠歌についての総合的研究」をご恵与いただきました(1枚目の写真)。 感謝,申し上げます。 以下,それに関連した事について書かせていただき…

小田康徳編『公害・環境問題史を学ぶ人のために』を推薦します。

大阪電気通信大学教授・小田康徳氏編『公害・環境問題史を学ぶ人のために』(世界思想社,2008年10月)は,「公害問題を,その歴史的な形成期から今に至るまで,きちんとした歴史的視点に立って叙述」しようと試みた好著です。 日本で,そして世界各地で,同じ…

ハリー=ポッターシリーズの最終巻(上下巻)

現在,J・K・ローリングの名作ハリー=ポッターシリーズの最終巻(上下巻)を読んでいます。 まだ,全体の5分の1くらいしか読んでいませんが,面白くなりそうな予感を持っています。最後にどんでん返しがありそうな感じで・・・・今から結末を読むのが楽し…

2冊の冊子・『地びき網漁の生活』と『紙すきの山里』

紀伊風土記の丘資料館で,『地びき網漁の生活-日高町産湯海岸-』と『紙すきの山里-紀州の和紙と紙の民具-』の2冊のりフレットを買って来ました。 中には数十年前の写真がたくさん載せられていて,面白かったです。安くて為になる2冊です。

内川隆志著『博物館資料の修復と製作』

内川隆志氏の著作『博物館資料の修復と製作』(雄山閣,2004年)を紹介します。 かなり前に氏からご恵贈いただいていたのですが,ここ2日話題になった仏像の修復問題でもう1度,読み返してみる気分になり,精読しています。 目次は次の通りです。 まえがき …

『西行伝説の説話・伝承学的研究(第三次)』御恵贈感謝!!

過日,上智大学の西澤美仁教授から科研研究の成果報告書である『西行伝説の説話・伝承学的研究(第三次)』をご恵贈いただきました。 紀北出身の西行についてはかねてより大きな興味を抱いてきましたし,これからもささやかな研究を続けていこうと考えておりま…

池波正太郎氏の『剣客商売』シリーズの治療効果

入院している最中,落ち込む心を支えようと,池波正太郎氏の『剣客商売』シリーズを読み続けました。 これでもう十何回目になるんでしょうか・・・・。心が弱くなった時の特効薬が池波氏の『剣客商売』シリーズです。 これまで,どれだけ力を得たことか。 こ…

根井浄・山本殖生編著『熊野比丘尼を絵解く』を推薦します

根井浄・山本殖生編著『熊野比丘尼を絵解く』(法蔵館,523頁,2007)を御恵贈いただきました。感謝申し上げます。 著者によりますと,「熊野比丘尼とは,明治初年まで熊野三山に設置されていた本願所寺院に所属した僧形の女性たちでした。本願所寺院は,熊野…

高橋修氏著『異説 もうひとつの川中島合戦』を推薦。

今もっともタイムリーな本を紹介します。 高橋修氏著『異説 もうひとつの川中島合戦-紀州本「川中島合戦図屏風」の発見-』(洋泉社,2007)がそれです。 上杉謙信の軍師として,NHK大河ドラマ『風林火山』に,緒形拳扮する宇佐美定満(定行??)が登場し,上…

中島誠之助著『ニセモノはなぜ,人を騙すのか?』は面白い。

中島誠之助著『ニセモノはなぜ,人を騙すのか?』(角川新書,2007)は面白い本です。 中島誠之助氏は骨董業界の有名人ですが,特に最後の章がこの本が日本文化論となりえている最大の理由でしょう。 第一章,なぜニセモノに引っ掛かるのか 第二章,ニセモノを…

上杉和彦氏著の『戦争の日本史6 源平の争乱』

上杉和彦氏著の『戦争の日本史6 源平の争乱』(吉川弘文館,2007)を御紹介します。 今までの源平争乱史研究を集大成したと思われるこの本を読むと,「源平の争乱」の本質がよく理解できます。しかも,感激したのは,これまでにないほど,わが熊野地域の果た…

島田瑠里さんの『歌う鳥,さえずるピアノ』を紹介します。

「この本,好い本だよ。お父さんのブログで紹介してよ」と次女からいわれまして,ピアニストでエッセイストの島田瑠里さんの『歌う鳥,さえずるピアノ』(草思社,1997年)に目を通してみました。 イラストレーターの赤勘兵衛氏の鳥の絵が素晴らしいです。 そ…

宇江敏勝氏著『世界遺産熊野古道』を紹介します。良い本です。

昨日,2001年に発行された紀南文化財研究会編『熊野古道 大辺路調査報告書 田辺市から串本町まで』を紹介しました。 実は,今年の2007年か来年の2008年に,紀南文化財研究会編で熊野古道中辺路・大辺路・小辺路・伊勢路・大峯奥駈道についての『調査報告書(…

『熊野古道 大辺路調査報告書 田辺市から串本町まで』を推薦します

6年前の2001年,紀南文化財研究会が和歌山県西牟婁振興局の依頼により『熊野古道 大辺路調査報告書 田辺市から串本町まで』を発行しました。 私は特に関係していませんでしたが,近世以後の大辺路を歩く上で大変参考になると思いますので,是非とも御購…

小山靖憲氏の2著作を読み返す

今改めて故小山靖憲氏(和歌山大学名誉教授・帝塚山大学教授)の2冊の著作を何度も読み返しています。 1冊は,『熊野古道』(岩波新書,2000)で,もう1冊は,『世界遺産 吉野・高野・熊野をゆく』(朝日選書,2004)です。 どちらもご恵贈いただいたものですが…

山田雄司氏著『跋扈する怨霊』を読んで見ませんか

三重大学准教授の山田雄司氏から,「歴史文化ライブラリー」の一冊として発刊された『跋扈する怨霊-祟りと怨霊の日本史-』(吉川弘文館,2007年)をご恵贈いただきました。 山田雄司氏は『崇徳院怨霊の研究』ですでに世に知られた日本史研究者ですが,この『…

小川智恵子・鈴木美代子共著『おてんばば女将の祇園昔ばなし』(草思社)

今日あたり,祇園祭が京都市で華やかに行われていることでしょう。 なぜか,未だこの祇園祭りを見たことのない私ですが,京都にたまに行った時に祇園界隈を何度かうろついたことがあります。 でも,祇園の歴史については表面的な歴史を除き,あまり詳しくは…

衝撃の事実が語られた『キリストの棺』

27年前の1980年に発見されたエルサレムのタルビオットの墓地。 ここから,「マリア」,「ヨセフの息子イエス」,「ヨセフの息子ヤコブ」,「マリアムネ」(イエスの妻女マグダラのマリア)や「イエスの息子ユダ」などの名前を記した骨棺が発見された。 タルビ…

『古いものに恋をして-骨董屋の女主人たち-』を紹介します。

良い本は,何度,読み返しても飽きの来ないものなんですね。 昨年出版された本なのですが,千葉望『古いものに恋をして-骨董屋の女主人たち-』(里文出版,2006年)を紹介させて頂きます。 この本には,正に古いモノに恋した10人の女主人(骨董・古美術店,古…

吉門憲宏『旅の恥はかき捨てですか?』を読む

現在,吉門憲宏『旅の恥はかき捨てですか?』(講談社,2007年)を読んでいます。 世界を旅する上で心がけておくべきマナーなどについてわかりやすく書いてくれています。 ちょっと耳に痛い話題ばかりですが,大変参考になります。 世界を旅する方は是非ともご…

伊藤裕偉氏著『中世伊勢湾岸の湊津と地域構造』(岩田書院,2007)について

三重県教育委員会文化財保護室主査の伊藤裕偉氏から『中世伊勢湾岸の湊津と地域構造』(岩田書院,2007年,6900円)を御恵贈いただきました。 取り急ぎ,その目次を紹介させていただきます。 序章 中世伊勢湾への視座 第一部 湊津と在所の地域相 第一章 安濃津…

鶴崎裕雄氏の御高論の紹介

帝塚山学院大学名誉教授の鶴崎裕雄先生から,御高論を御恵贈いただきました。 鶴崎氏に心から感謝申し上げますとともに,その御高論のタイトルを取り急ぎ以下に紹介させていただきます。 ①,鶴崎裕雄「連歌師と旅と名所」(鈴木広之『日本の美術5 №491 名所…

『聞き書き 紀州備長炭に生きる-ウバメガシの森から-』の御紹介

『聞き書き 紀州備長炭に生きる-ウバメガシの森から-』(社団法人農山漁村文化協会刊,2007年3月,1850円)という読みやすい本を入手しました。 この本はライターのかくまつとむ氏が備長炭の炭焼き職人・阪本保喜氏が語る言葉を聞き書きし,一冊の本にした…

『現代の巡礼―四国遍路と世界の巡礼―』の紹介

2006年11月18日~19日かけて愛媛大学法文学部でおこなわれた「四国遍路と世界の巡礼」公開シンポジウムと研究集会「現代の巡礼」についてのレジュメを,徳島県立博物館学芸員の長谷川賢二氏の御紹介により,愛媛大学法文学部教授・山川廣司氏から御恵贈いた…

『おしえてわかやま 歴史編』と『博物館が好きっ! 学芸員が伝えたいこと』の御紹介

昨日,交流のある二人の方から注目すべき本をご恵送いただきました。 立花秀浩氏から,立花秀浩氏著『おしえてわかやま 歴史編』(わかやま絵本の会発行,2007年,定価1200円)をご恵贈いただきました。 子供むけに書かれたものですが,もちろん大人でも十分に…

新刊本(「熊野・高野」の案内書)の紹介

新刊本(「熊野・高野」の案内書)の紹介をさせてもらいます。 日本で最初の和英併記の「熊野・高野」のガイド・ブックです。定価は,税込みで1470円です。はじめての試みですので,ご購入お勧めします。 KIGA(熊野・高野国際語り部の会)編『UNESO WORLD HERIT…