山田雄司氏著『跋扈する怨霊』を読んで見ませんか

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 三重大学准教授の山田雄司氏から,「歴史文化ライブラリー」の一冊として発刊された『跋扈する怨霊-祟りと怨霊の日本史-』(吉川弘文館,2007年)をご恵贈いただきました。

 山田雄司氏は『崇徳院怨霊の研究』ですでに世に知られた日本史研究者ですが,この『跋扈する怨霊』において,非業の死によって祟りや災いをひき起こす存在と見なされるようになった多くの怨霊がどのようにして創り出され,さらにどのように鎮魂されるに至ったかについて日本史の上にきちんと位置づけされた上で,怨霊研究の今日的意義をわかりやすく説いてくれています。

 本当に読みやすく面白い本です。
 こんなにわかりやすくて良いのかと思うくらい,一見とっつきにくいと思われる怨霊研究の世界へ,私達を平易に導いてくれています。

 是非ご購入の上でご一読いただければ幸いです。

 以下,その目次をあげ,ご紹介とさせていただきます。
 
  怨霊とは何か-プロローグ
  怨霊の「誕生」と初期の怨霊
   怨霊「前史」
   怨霊と都市
   怨霊におびえる藤原氏
   平城京から平安京
  怨霊の大衆化
   貞観御霊会と民衆のちから
   菅原道真の怨霊化と社会
  跋扈する怨霊 
   日本史上最大の怨霊-崇徳院
   安徳天皇平氏の鎮魂
   鎌倉幕府による怨霊への対処
   源頼朝の死と怨霊
   荒れ狂う後鳥羽院怨霊 
  怨霊の「終焉」
   京都を目指す後醍醐天皇の怨霊
   『太平記』に出現する怨霊
   『太平記絵巻』での怨霊
   『実盛』の世界
   怨親平等の思想  
  怨霊を通して見えるもの-エピローグ