『聞き書き 紀州備長炭に生きる-ウバメガシの森から-』の御紹介

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 『聞き書き 紀州備長炭に生きる-ウバメガシの森から-』(社団法人農山漁村文化協会刊,2007年3月,1850円)という読みやすい本を入手しました。

 この本はライターのかくまつとむ氏が備長炭の炭焼き職人・阪本保喜氏が語る言葉を聞き書きし,一冊の本にしたものです。

 阪本保喜氏は,和歌山県東牟婁郡の古座川流域で良質の備長炭を焼き続ける代表的な炭焼き職人のようで,地元産のウマベガシを使って備長炭を焼いています。現在,和歌山県から「紀州備長炭製炭士」に認定されています。

 この本は序の「山守としての炭焼き職人」以下,「備長炭の魅力」,「ウマベという木」,「わが故郷は南紀の山」,「窯の構造」,「ウマベを運ぶ木馬と野猿」,「ウマベの窯詰め」,「口焚きと炭化」,「木酢液を探る」,「アラシ」,「炭焼きの道具」,「備長炭の選別眼」,「備長炭の未来」の12章と,「あとがき」から成り立っています。

 なお,2つ目の写真は『別冊太陽 熊野』(平凡社,2002年)より掲載させていただいた,ウバメガシの群落の写真です。 

 私が生まれ育った家の隣にも,そしてその隣にも,さらにその隣にもウバメガシの木はなぜかありました。私達はこれをバベの木と呼んでいました。高さはせいぜい3mくらいでした。その時はその価値に気が付かなかったのですが,長じてからその価値に気付きました。思えば私はそのバベの木とともに暮らしていたんですね。