根井浄・山本殖生編著『熊野比丘尼を絵解く』を推薦します

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 根井浄・山本殖生編著『熊野比丘尼を絵解く』(法蔵館,523頁,2007)を御恵贈いただきました。感謝申し上げます。

 著者によりますと,「熊野比丘尼とは,明治初年まで熊野三山に設置されていた本願所寺院に所属した僧形の女性たちでした。本願所寺院は,熊野三山の社殿・堂塔・伽藍の建立,再興,修理の資金を集める勧進組織体であり,彼女たちは本願組織において養成,保障,統率されていました。
 熊野比丘尼といえば絵解き,絵解きといえば熊野比丘尼というように,両者は不測不利の関係にあった」ようです。

 取り急ぎ,目次を紹介させていただきます。

  はしがき

  第一章 熊野比丘尼の絵画史料
    絵解きの比丘尼
    絵解きの絵画
    勧進・配札の比丘尼
  
  第ニ章 熊野比丘尼の文献史資料
    熊野比丘尼の原像と古記録
    地獄絵の絵解き
    那智参詣曼荼羅の絵解き
    勧進・配札の比丘尼
    梛の葉・酢貝と比丘尼

  第三章 熊野比丘尼の組織と統制

  第四章 熊野比丘尼の諸国定着
    志摩国越賀の熊野比丘尼
    備前国下笠加の熊野比丘尼
    越後国佐渡熊野比丘尼
    三河国白鳥の熊野比丘尼
    美濃国大矢田の熊野比丘尼
    尾張国名古屋の熊野比丘尼
    筑前国博多の熊野比丘尼

  第五章 熊野比丘尼の世俗化

  第六章 熊野比丘尼を絵解く文字解く
    熊野比丘尼の理解 根井浄
    熊野比丘尼の位置 山本殖生

  あとがき

 絵を見たり,史料を読んだりするだけでも楽しいですが,最後の根井浄・山本殖生両氏の解説風の文が全体の理解を助けてくれます。