熊野地方の代表的な仏像で,
新宮市(旧
熊野川町)日足の
少林寺所蔵の
地蔵菩薩像(
平安時代末期)を紹介します。
この
地蔵菩薩像は,すでに,かなり丁寧に修復されているので,わかりにくいところもあるかと思いますが,保護のため
熊野古道沿いの廃寺(志古奥の万歳峠付近に所在)から移されてきた仏像です。
私は「運慶」の父である「康慶」がこの仏像の作者だと考えています。その根拠は,
静岡県瑞林寺所蔵の
地蔵菩薩像〈治承元年(1177)制作〉との類似性からです。
しかし,個人的好みからいうと,私は修復される以前のお姿の方が好きですし,そのお姿の方がより瑞林寺像に近いと思っています。