隣町・印南町畑野崎地域の音無川層群を見学。


 12月23日、田辺ジオパーク研究会見学会で、隣町・印南町畑野崎地域音無川層群(音無川帯)を見学することになりました。

 少しむつかしい話をします。
 紀伊半島南部は白亜紀~古第三紀(13000万年前~2300万年前)に形成された四万十付加体(四万十帯)、これを覆う新第三紀中新世の田辺層群・熊野層群(2300万年前~1600万年前および中期中新世に大規模で広範囲にわたる火成活動によってつくられた大峰火成岩類・熊野酸性岩類・潮岬火成複合岩類(1500万年前~1400万年前からできています。
 四万十付加体(四万十帯)は北から南へ高野山帯・日高川帯および日置川帯に分けられ、日置川帯は音無川付加体(音無川帯)牟婁帯に分けられます。
 音無川帯(6000万年前~5000万年前上部が羽六累層、下部が瓜谷累層からできています。

 今回は、この音無川付加体(音無川帯)隣町の印南町畑野崎地域で見学することになり、19名が集まりました。私も南部(みなべ)から車を飛ばして、でもスピード違反せず(笑)、ここに来ました。
 講師は県庁に勤めていた元の高校教師・N氏です。
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 これが音無川付加体(音無川帯)の褶曲構造です。褶曲とは、地層の側方から大きな力がかかった際に、地層が曲がりくねるように変形する現象のことです。
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 この地層は、褶曲せず、まっすぐな地層です。(↓)

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 でも、これは褶曲に向かっている地層です。(↓) この山そのものが褶曲によってつくられたことが理解できるでしょう。

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 何を見ていると思いますか(↓)

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 地層にも上と下があります。下にはこんな風に貝などが残した痕跡(生痕化石)があるのではっきりわかるそうです。(↓)
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 勉強になりました。

 これは何だと思いますか(↓)。これは向斜背斜という全く成り立ちの違う地層の出会いの空間です。なぜこんなところで出会ったのか。亀裂も入るし(笑)、男と女の出会いみたい。
 ほんと、つい見過ごしてしまいそうな不可思議な空間です。
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 ここには色々な褶曲の重なりが見られます。驚くべきものです。自然の力とそのエナジーに驚かされます。(↓)
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 そして。信じられないでしょうが、こんな四角い褶曲構造もあります(↓)。事実は小説よりも奇なりといったところでしょうか。初めて見ました。
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 いやあ、面白いですね。地層の重なり方や褶曲について勉強をしたければここへ来てみれば良いですよ。
 
 でも、面白がっているのは、私だけかなあ(笑)。