新宮市熊野川町「篠尾の不整合」―篠尾巡見③―


 新宮市熊野川町篠尾の集落に予定より約2時間遅れて到着後、しばらくして篠尾の区長さんたちに案内されて、九重方面に向かい、篠尾から九重へ抜ける林道の露頭において、「篠尾の不整合」とよばれるジオサイトを見学しました。
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 「篠尾の不整合」は、約6000万年前に形成された音無川層群と、約1700万年前に前孤海盆に堆積した熊野層群との不整合がはっきりと見られる場所です。不整合とは、「ある地層が隆起したり海面低下をこうむると地層は風化されたり浸食されたりするが、その後、その浸食面上に新しい地層が堆積した際に古い地層と新しく堆積した地層の関係」をいいます。この場合は、全体的に大きく地層がひっくり返っていますが、左側が音無川層群、右側が約1700万年前に海盆で堆積した熊野層群をさしています。両方とも後に隆起し今日に至っています。
 ここからは、紀伊半島の土台を形成する大地の蠢きがはっきりと感じられます。

 なお、この付近の林道は岩崩れが激しく、走行するに当ってはかなりの注意が必要です。

 林道を大平多山(標高999m)方面に向かって北上すると、約8ケ月前に紹介した夫婦滝が見えてきます。もう一度この2つの滝を写真で紹介しておきます。
 1番目の滝が男滝(おだき)、2番・3番目の写真が女滝(めだき)です。

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 前にも述べましたが、この時の水量はかなり少なかった。
 でも、今年の梅雨時にはたぶん雄大夫婦滝の姿を見ることができたことでしょう。 怖いけど、すごく羨ましい!!