田辺市本宮町の「黒尊仏」探がしに行って来ました。


 昨年の11月初旬、田辺市本宮町備崎・黒尊仏・(新宮市熊野川町東西)敷屋・篠尾川周辺巡検に関連して、田辺市本宮町大津荷から右手の林道(本宮-大津荷線)に入り、メインテーマの1つである「黒尊仏」なるジオサイトを探しに田辺ジオパークメンバー18名で出掛けてきました。

 「黒尊仏」(俱盧尊仏、くるそんぶつ)とは、『紀伊風土記』によれば、天然痘(疱瘡、ほうそう)に対する特効薬を持たなかった時代に、その災厄から逃れるため多くの人々の信仰をあつめていた「疱瘡神」のことをさしています。
 さて、「黒尊仏」とはどのようなジオサイトなんでしょうか。

 私達一行は、くねくねと曲がり石の散らばるかなり荒れた林道を車に分乗して進み、駐車できそうな場所に車をおいて山道を歩きました。(↓)
イメージ 1

 途中、丸木を組んだ不安定な橋を怖々と渡り、しばらく山道を歩いた後、道の途中で「黒尊佛」の方向を指し示した標識に導かれて下の川原へ降りました。
イメージ 9

イメージ 2

 さらに前へ進み、ようやく「黒尊仏」のある場所近くの標識に到着。(↓)
イメージ 3

 やっと見えて来ました、これが「黒尊仏」です。(↓)
イメージ 4
 設定ミスでフラッシュが自然発光してしまったので、巨大な岩の濃い黒っぽさが飛んでしまいました。(↓)
イメージ 5
 でっかいですね。30m以上ありそうです。「黒尊仏」を見上げていると首が痛くなりそう・・・・。
 かなり上の方はこうなっています。(↓)
イメージ 6

イメージ 7

 もうおわかりでしょう。
 「黒尊仏」の正体は、 約1500万年前、前孤海盆に堆積して形成・隆起した熊野層群の中に噴出したマグマが冷えて固まった熊野酸性岩類といわれているでっかい火成岩です。この「黒尊仏」は主に石英斑岩からできていますが、似たものとして串本町橋杭岩などを想像してもらえれば宜しいかも・・・・。

 去年の11月の西敷屋近くの森の疎らな紅葉です。(↓)
イメージ 8