ちょっとすまして酒を呑む。


 長男夫婦が父の日の祝いに贈ってくれた石川菊姫酒造の「加陽菊酒」を冷やでいただくことにしました。
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 しかし、ただ呑むのも面白くないので、今まで収集してきた東洋陶磁コレクションの中から適当な酒器を選んで使うことにしました。

 まず盃には、現在の中国内蒙古自治区にあった遼時代の林東窯の白釉磁盃を使うことにしました。 3.1㎝×9.6㎝
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 遼は10世紀前期から12世紀前期にかけて中国北半分を支配下に置いた契丹民族の国家です。このクリーム色っぽい白釉磁盃は、厚さが約1ミリしかない薄黄白色の胎土に薄く白土を被せ、その上に釉薬をかけて作られています。これを作ったのは戦争捕虜となり遼に連れ去られた有名な定窯出身の陶工達だったようですが、内部の見込み部分に見られる小さな目跡の存在からしてやや雑に作られた大量生産品だったことがわかります。

 「加陽菊酒」は、2年以上熟成した大吟醸酒ですので、その色調は透明ではなくやや黄色みがかっています。酒の色を目で味わうためにはクリーム色っぽい白釉磁盃が適合していると考えたのですが・・・・。

 そして、酒の肴を入れる皿として、中国明代の焼き物に手本を求めて17世紀前期に日本で製作されたハイカラな葡萄文様の初期伊万里を使うことにしました。
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 酒の肴は生協から取り寄せた「マグロの生ハム風の切り落とし」です。この切り落としはマグロの風味をそのまま残しつつこの酒の本来もつ味をより強く引き立ててくれるように感じました。

 ただ次に酒の肴として用意したスモークチーズは、どちらかというと酒の味をやや抑え、よりマイルドに感じさせてくれたように思います。
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 でも、酒の肴としてどちらが好いかは、やはり個人の好みの問題でしょうね。