円珍や源氏と関係深い不思議な神像と建物

 
  三井寺境内の北側に、14世紀中頃、足利尊氏が寄進したという国宝の建物があります。この建物が新羅善神堂です。
  特に、正面の欄間に彫刻された鳳凰と牡丹唐草の文様は傑作といわれています。
  なぜ、足利尊氏が寄進したかというと、この新羅善神堂に祀られている新羅明神を大いに信仰し、奥羽の安部頼時らとの戦いに際しその勝利を祈願し、見事勝利し、これ以後の源氏の繁栄を作り上げた人物が、尊氏の先祖の1人である源頼義だったからです。
 
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  この新羅善神堂には、これまた国宝で9世紀中頃11世紀中頃に制作された新羅明神坐像が安置されています。まさに特異な風貌が漂う神気あふれる神像ですが、円珍が中国の唐から帰って来る時、船の中に現れた新羅の国神といわれています。
  なお,この写真は,『智証大師帰朝1150年特別展・国宝三井寺展』(2008)から掲載させていただきました。感謝申し上げます。
 
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