フェニックス褶曲の実例

 
 これが和歌山県すさみ町天鳥(あまどり)にあります「フェニックス褶曲」といわれているものです。
 
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 天鳥海岸周辺の地層は、牟婁層群と呼ばれろ、今から数千万年前に海底に砂や石が堆積してできた地層です。
 
 普通、水平に堆積してできた軟らかい地層は地殻変動によって海底が傾斜すると、ずるずると滑り落ちます。つまり、「フェニックス褶曲」は、ゆっくりと海底地滑りが発生し、軟らかい地層がしわ寄せられてこのように曲げられて造られ、その後で徐々に硬い岩石になったものです。
 
 ヒマラヤ山脈アルプス山脈も褶曲によって造られた山脈で、紀州にも硬くなった地層が折れもせず曲げられて造られた褶曲地層もありますが、いずれも硬くなった地層が曲げられて造られたもので、「フェニックス褶曲」の造られ方とは違っています。
 
 詳しくは、原田哲朗『紀の国 石ころ散歩』を参照。