なぜ,こんな観音菩薩立像がこんな場所に・・・・那智経塚の秘められた謎

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 この観音菩薩立像は,昭和5年に那智経塚から発見された観音菩薩立像です。銅製の観音菩薩立像の表面に厚く渡金が施されています。

 製作された時期は,8世紀頃です。

 2日にわたって御覧いただいた2体の観音菩薩立像と見比べてください。何か異質な感じに気付きませんか??
 顔はやや固いですが,腰のひねりに微妙な動きがあります。

 そうです。これは日本のものではありません。中国の盛唐時代に制作されたものです。もっとも,経塚へ埋納された時期は12世紀頃とされています。

 でも,不思議ですね。これをはじめとする大量の貴重な仏像群が,一体どこからもたらされたものでしょうか。京都からでしょうか。それとも地元からでしょうか。

 現在,熊野那智大社に収蔵されていますが,いつか是非とも,この秘められた謎を解いてみたいと思います。

 仏像の写真は,和歌山県立博物館編『世界遺産登録記念特別展 熊野・那智山の歴史と文化-那智大滝と信仰のかたち-』(2005)より掲載させていただきました。感謝,申し上げます。

 これにて,今年の私のブログも終わりです。

 来年は私の干支の年です。

 では,皆様,良きお年を・・・・!!