那智経塚発見の十一面観音菩薩像

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 これも,大正時代に那智経塚から発見された観音菩薩立像です。青銅製の十一面観音菩薩立像の表面に渡金がほどこされています。

 昨日御覧いただいた奈良時代初期制作の観音立像と見比べてください。微妙な時代の違いが分かりますか。

 制作年代は飛鳥時代後期(美術史的にいうと白鳳時代)でしょうか。日本で製作された十一面観音菩薩像としては現存する最古の作品だそうです。もっとも,経塚へ埋納された時期は12世紀頃とされています。

 現在,かつての東京国立博物館に所蔵されています。未指定です。

 仏像の写真は,和歌山県立博物館編『世界遺産登録記念特別展 熊野・那智山の歴史と文化-那智大滝と信仰のかたち-』(2005)より掲載させていただきました。まだ在庫がありますので,どうかお買い求めください。