旧南部川村の平須賀城跡

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 私の好きな中世城跡を紹介します。

 旧南部川村にある平須賀城跡(へいすがじょうあと)は,和歌山県下屈指の大規模な山城で,標高206mの山頂から南部平野を一望することができます。もちろん,見晴らしの良さが私の好む理由の1つになっています。

 1194年から1195年にかけておこなわれた発掘調査により,曲輪7,掘立柱建物跡6,虎口2,柵列1,地鎮遺構1,堀切2などが発見されました。

 出土した遺物は多量かつ多種多様です。

 中村氏が城主であった15世紀前半代以降の遺物が多い中で,野辺氏が在城した15世紀後半から16世紀前半の遺物が大半を占めています。

 野辺氏は元来,紀伊国守護の畠山氏の内衆で,奥郡の小守護代として南部の平野部で田辺・熊野地方を治めていこうとしていたと思われますが,戦国時代に入ると共に守り易い平須賀城を居城とするに至った,と考えられます。

 なお,野辺氏が16世紀中頃に退転した後で,御坊を中心に紀南地方にまで勢力を広げていた湯川氏かその一族がここを居城としていたようです。

 平須賀城は,羽柴秀吉の軍勢が侵攻し,湯川氏が衰退すると共に廃城となった,と思われます。

 一度,ハイキングをかねてお出掛けください。