熊野那智大社の夫須美神坐像

イメージ 1

 現在の熊野那智大社の社殿は,江戸時代末期の嘉永4年から7年(1851~1854)にかけて建立されました。第1殿・滝宮,第2殿・証誠殿,第3殿・中御前,第4殿・西御前,第5殿・若宮,そして第6殿・8社殿が直角に折れ曲げて,並んで建てられています。

 熊野那智大社には,たくさんの宝物があります。その中で最近,和歌山県博物館学芸員の大河内氏や高木氏などによって発見された,平安時代前期(10世紀)の女神坐像(夫須美神坐像)を紹介します。

 正座していますね。

 那智山尊勝院伝来との伝承があるそうです。熊野三山が成立する以前に,ここを開いた氏族によって祀られていた神像のようです。

 機会があれば,いつの日にか,同時に発見された平安時代後期の男神坐像(那智山実報院伝来)も紹介したいと思っています。

 神像の写真は,和歌山県立博物館編『世界遺産登録記念特別展 熊野・那智山の歴史と文化-那智大滝と信仰のかたち-』(2006)より掲載させていただきました。