和歌山県の名杭十一面観音像

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 これは,和歌山県日高郡印南町名杭の観音堂に安置されている十一面観音立像(平安時代前期制作,1枚目,2枚目,3枚目の写真)です。

 県文化財に指定されています。

 現在,名杭集落の入口の小高い丘の上に安置されていますが,元来,熊野五体王子の1つとして有名な切目王子神社(印南町西ノ地,4枚目の写真)の神宮寺に本地仏として祀られていたようです(仁和寺蔵「熊野縁起」)。

【追記】
 切目王子神社の祭神の筆頭は,若宮です。神仏習合論を前提とした古代・中世の本地垂迹説では,本地仏である十一面観音菩薩が若宮という仮の姿で人々の前にあらわれ人々を浄土の世界に導いていく,と解釈しています。
 なお,さらに補足させていただければ,祭祀されている神々は,若宮を筆頭に禅師宮・聖宮・児宮・子守宮の五体王子(五所王子ともいいます)です。