ギリシアの「デルフォイの古代遺跡」(世界遺産)をたずねて

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 22年前の1985年の冬休みを利用し,ギリシア旅行の目玉であった「デルフォイの遺跡」を見学してきました。

 「デルフォイの遺跡」は,のちに世界遺産に指定されました。

 「デルフォイの遺跡」は,古代地中海世界の「大地のへそ(オムパロス)」と考えられ,パルナッソス連峰にいだかれた当時の宗教の中心地の1つでした。

 祖神はピュートンといわれる蛇神(龍神ともいわれる)で,大地の神ガイアの化身と考えられていました。その後,アポローンがこの蛇(龍)を退治し,主神となって古代の人々の大いなる崇拝を受けたといわれています。
 
 アポローンは未来に対する予言の力をもつことで有名で,神域には各地から記念碑や宝物殿が寄進されたようです。

 4年ごとに,ビューティア大祭がここでおこなわれ,盛大ににぎわったといわれています。最初は,芸術の競技が中心だったようですが,紀元前6世紀初頭にはオリンピアと同様,運動競技もあわせておこなわれていたようです。
 
 1枚目の写真は,アポローン神域の主殿であるアポローン神殿(ナオス・トゥ・アポロノス)を上から撮った写真です。
 元来,正面に6本のドーリス式列柱が並び,側面両側には15本のドーリス式列柱が並んでいたようです。現在,6本の柱が立っていますが,完全に残っている柱は1本だけです。
 現在の神殿は,紀元前4世紀中頃に建てられたようですが,発掘によって紀元前7世紀の神殿の遺構が確かめられています。

 哲学者ソクラテスがよく使ったことで知られる有名な「汝自身を知れ」という言葉は,この神殿の前室の壁に刻み込まれていたようです。
 また,巫女が信託を告げる部屋は,前室の地下にあり,そこには「大地のへそ(オムパロス)」も置かれていたようです。入口を探したのですが,よく分かりませんでした。

 2枚目の写真は,アポローンの神殿からアテネ人の宝殿などを眺めつつ,オリーブの樹海を見下ろした写真です。素晴らしい展望ですね。「デルフォイの遺跡」はこんな場所にあります。

 3枚目の写真は,紀元前4世紀にパルナッソスの白大理石で造られた,ギリシアの劇場(テアトロン)の中でももっともよく保存されている古代の劇場の写真です。夏になると今でもここで古代の悲劇や喜劇が上演されているそうです。

 4枚目の写真は,劇場の横を上り詰めた場所にある古代の競技場(スタディオン)です。この競技場は紀元前5世紀に造られましたが,当時,観客席は整備されておらず観客は地面に腰をおろして見物していたようです。客席は,ローマ時代になって金持ちのへローデス・アティコスの寄附によって建設されたようです。

 5枚目の写真は,競技場の入場門付近の写真で,ガイドのA氏がスタート地点で模範演技を披露してくれました。私はこの後ゆっくりと,1スタディウム(177.55m)を走り抜きました。ヤンヤ,ヤンヤ・・・・。

 6枚目の写真は,アテーナ神域にある円形神殿(トロス)の写真です。紀元前4世紀後半に建てられた神殿で,円形の土台が残されています。元来,外円周には20本のドーリス式列柱が立ち並んでいたようですが,現在は,そのうち3本だけが復元されています。