熊野古道近くの岩代(石代)王子社の神像

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 熊野古道が近くを通っていた岩代(石代)王子社は,熊野九十九王子社の中でも最も早く造営された王子社です。天仁2年(1109)の藤原宗忠の『中右記』10月21日条に「石代王子に奉幣」とあります。

 この神像は,桧材の一木造りで,像高約47.5㎝の坐像です。内刳りはなく,元は冠をかぶっていたのかもしれません。いずれにしても破損が激しく,痛々しいかぎりで,おまけに下部は欠損しています。像容も定かでないのが残念です。

 明治の神社合祀に際して,祟る神として怖れられ,とうとう合祀されなかったようです。
 
 平安時代末期(12世紀頃)に制作されたと推定されています。