「音無川」源流の「音無滝」

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 田辺市本宮町三越の「三越峠」(みこしとうげ,標高560m)は,要害森山(標高779m)の北西部に張り出した尾根の鞍部にあります。かつての西牟婁郡東牟婁郡の郡境です。現在,ここには駐車場,休憩所,便所,水道,非常電話,番号道標(53番)などがあります。
 
 峠を越して,かなり険しいつづら折れの道を下ります。

 『中右記』天仁2年(1109)10月25日条に「超三輿之多介,次下干谷」と出てきますが,この「干谷」を下って流れる急流が『後鳥羽院集』などに出て来る「音無川」の源流であろう。

  「はるばるとさかしき峰をわけすぎて音なし河をけふ見つる哉」

 下って行く途中に谷間を鋭く走る滝が見られますが,語り部のS氏などはこれを「音無川」源流の「音無滝」(おとなしのたき)と見做しているようです。それにしても喧しくない静かな滝です。まさに音無しの滝ですね。