御影史学研究会の定例会について

 久し振りに御影史学研究会の定例会に行って来ました。場所はいつもの所と違って,西宮市の夙川公民館でした。
 だいぶ涼しくなったので,歩くのも苦痛ではありませんでした。

 まず,西尾正仁氏が「平安初期の木彫仏」というタイトルで,一木彫仏の技法が鑑真ら中国渡来の僧侶によってもたらされたという説が出されていることを紹介し,さらに奈良時代に都から離れた紀ノ川流域で育まれた仏教信仰がどのようにして平安初期の一木彫の仏へと結実したか,を,『日本書紀』所載の「吉野寺縁起」,『日本霊異記』,『古屋家家譜』,『今昔物語』,『神護寺略記』などに登場する多くの人物との関わりについて述べつつ,克明に論じました。
 そして,最後に,奈良時代末期から平安時代初期にかけて律令体制の動揺が激しくなった結果,崇道天皇井上内親王の怨霊に怯える宮廷社会の中で,造仏の霊験を説くに相応しい一木彫の仏が登場してきた,とまとめました。
 専門外なのでよくわかりませんが,,発表者みずから述べられたように,論点がまだ十分に煮詰まっていなかったようで今後にいくつかの課題を残したようです。

 もう1つ発表がありましたが,先ほど帰ってきたばかりで今日はかなり疲れましたので,今夜はひとまずこれで終ります。おやすみなさい。