「原発 見逃した活断層 電力会社・国揺らぐ信頼」という記事について

 今日の朝日新聞の記事の中にこれは,という記事がいくつかありました。

 その1つが,「原発 見逃した活断層 電力会社・国揺らぐ信頼」という17面の記事です。
 
 1980年に島根原発の約2㎞南に活断層「鹿島断層」が約12㎞あると研究者が指摘したにもかかわらず,中部電力株式会社は2号機の建設に際して全く考慮しませんでした。さらに,1998年の3号機増設に伴う調査でもその一部の8㎞だけを活断層と認めたものの,当時,資源エネルギー庁と呼ばれた現在の原子力安全・保安院は,地震による被害を受ける心配はない,ということで,安全宣言しました。
 
 これに対し,国土地理院は2002年に広島工大の中田教授らの研究をもとに活断層を約18㎞と認定しまし,教授らはこの6月に変形地形学の成果にもとづき,トレンチ掘削調査によって活断層を発掘しました。その結果,活断層が20㎞を上回り,中部電力が安全とする耐震設計の想定を上回る地震が発生する可能性が出てきました。これは大変なことです。
 
 中部電力もこれを監視する公的機関も,国民の安全と国家の存亡にかかわることについては,謙虚に最先端をいく学問,それも実証的な学問の成果を受け入れるべきでしょう。