和歌山県有田川町の旧吉備中学校校庭遺跡発掘報告続報。

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和歌山県有田川町下津野の旧吉備中学校校庭遺跡の現地説明会へ行って来ました。
写真の手前にあるのが方形周溝墓でその向うに環濠を始めとする三本溝が,見にくいですが,ぼんやりと見えています。

新聞報道後の調査で,当初立てられていた仮説「近畿地方の沿岸地域では,弥生時代中期末葉に住居地が平地から山の上や丘陵地に移動している。しかし,弥生時代後期中頃になると,住居地は次第に平地部に下りてくる傾向にあり,今回発見された遺跡はどうやら下りてきた直後の遺跡の1つと考えられる」という仮説を捨てなければならない新しい事実が発見されています。

というのは,方形周溝墓のすぐ近くから弥生時代中期の円形竪穴住居跡が発見されたからです。
調査がすべて終っていないので詳しいことはすべてが終了した後,明らかにされるでしょうが,上記の仮説はいったん棚上げになりました。やはり,現場へ行って見るべきですね。

といっても,遺跡としての価値が失われたわけではありませんし,すでに埋め戻された所からも凄い発見がありました。何年後かの調査報告書刊行が楽しみです。