約1500万年前に形成された熊野層群下部所属の大岩


 去年の12月28日、熊野那智の天満にある、藤倉城近くの新発見の出城跡和歌山城郭調査研究会代表の白石さんに連れられて行ってきました。

 高速道路建設のためこの世から消されてしまった藤倉城の、新発見の出城跡については後に説明するとして、今回はそこでついでに観察したジオ・地質学に関わるものについて紹介します。
 まずこれです。
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 どこかで見た印象を受けませんか。
 そうです、これは「天満のゴトビキ岩」と呼ばれているごく狭い近在ではよく知られた大岩です。ヒキガエルにそっくりでしょう。

 その岩をマクロで撮った写真がこれです。
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 この岩体は熊野層群下部の敷屋累層・小口累層に属している、約1500万年前に形成された非常に硬い砂岩・泥岩です。
【追記】 下にあげた地質図は『アーバンクボタ NO.38  SEPTEMBER 1999  株式 
 会社クボタ』所載付図の必要分を写真撮影したものです。感謝します。
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 この砂岩・泥岩は前孤海盆の浅い海に堆積した海洋性の堆積物で、今は風雨に晒されつつこのような状態で山頂におさまっています。

 そして、その下に聳えている大岩がこれです。
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 下に降りる際にこの大岩の左側の急な斜面を恐々る滑りながら降りてきましたが、白石氏のような中世城郭探索者について行くには大変恐怖を伴います。以前は平気だったのですが、歳をとったためかへっぴり腰で滑って降りました。
 ここにはかつて神社らしいものがあり、信仰の対象となっていたようです。