和歌山県田辺市本宮町にある「おっぱいの神様」を紹介します。
そこで見かけた、田辺市本宮町の「ちご谷」にある「ちちさま」(「おっぱいの神様」)を紹介します。
ご覧のように、豊かな乳房を思わせるような2つの丸い石が壁にくっつけられているかのように並んでいます。もちろん、これは後付けの人工の石ではなく天然の石なんです。
この石は、江戸時代末期に編纂された『紀伊続風土記』といわれる書物では、「乳古良石」(ちごらいし)と書かれ、乳の出の少ない婦人が願を立てると自然に乳が出るようになるとして古くから多くの女性の信仰を集めていたそうです。
「乳古良石」すなわち「ちちさま」は、元来、本宮町の天然文化財に指定されていましたが、最近、「日本の奇岩百景」にも登録されたそうです。
種を明かせば、「ちちさま」は、5000万年前に海底に堆積し隆起した音無川層群に存在するノジュール(堆積岩中の珪酸や炭酸塩が化石や砂粒などを核にして化学的に凝集して形成された塊のこと)をさしています。ほんと珍しいものですね(笑)。