新宮市熊野速玉大社熊野神宝館の古神宝類【№1】

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 熊野速玉(新宮)大社の熊野神宝館には,所蔵品としておおよそ1000点もの古神宝類が収蔵され,一括して国宝に指定されています。

 これらの古神宝類の大半は,明徳元年(1390)の遷宮に際して,当時の天皇上皇・室町将軍足利義満および諸国の守護の支援のもと奉納されたものであるとされています。

 この他には,1枚目の写真にあげた明徳元年(1390)奉納の髹漆金銅装神輿,2枚目・3枚目の写真にあげた江戸時代(天和2年<1682>)に明徳元年(1390)奉納の御船を模倣して製作された髹髹漆金銅装神幸用船や,寛政10年(1798)制作の稚児立像などが特に注目されています。

 この他に,当社の本願寺院の霊光庵跡から山茶碗などと共に出土した鎌倉時代制作の鉄斧と,同じく鎌倉時代に製作された入峰の鉄斧,室町時代中期の新始儀式用具三点,戦国時代の永正11年(1514)銘の御正体(懸仏),16世紀末に制作され巫女(イタ)による神占い(くがたちなど)に使われた鉄製の三ツ口釜(4枚目の写真)なども県文化財に指定されています。

 熊野速玉大社では,現在,例大祭として毎年10月15日に神馬渡御,16日に御船祭がおこなわれています。これらの行事は,熊野速玉祭として県無形民俗文化財に指定されていますが,これらの行事の際,先にあげた神輿や,神幸用船と稚児立像などが活躍します。
 
 これらの写真は,『和歌山県立博物館編『世界遺産登録記念特別展 熊野速玉大社の名宝』(2005),安藤精一編『和歌山県文化財 第3巻』(清文堂,1982)より掲載させていただきました。