藤沢市遊行寺宝物館での『特別展 時宗と熊野』のご案内。

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 国際熊野学会平成20年度大会に呼応し,神奈川県藤沢市遊行寺の宝物館で『特別展 時宗と熊野』が開催されています(1枚目の写真)。
  ①,熊野権現からの信託--熊野三山時宗宗祖一遍上人,一人の僧侶への賦算,熊野成道図--
  ②,時宗と熊野をつなげる美術--時宗と熊野,美術と慣習のつながり--

 今回,国宝の『一遍聖絵』の原物は,外部に貸し出されているため,残念ながら展示されていませんが,精巧な手刷りによる模本が展示されています。2枚目の写真は,文永11年(1274)に,一遍が証誠殿の前で熊野家津大神から念仏賦算による全国行脚を勧められた場面を描いた部分だけを原物から取り出したものです。

 特に注目したい展示物が4つあります。
  ①,鎌倉時代の時衆男女別過去帳(国指定重要文化財)。
   これは今後二度と拝観できるかどうか不明の貴重な文書です。実は私がもっとも見たかったものの1つ      がこれです。ある人物を探し出すという当初の予想は外れましたが拝観できて良かったです。
  ②,室町時代制作の一遍上人像(県指定文化財)。
   3枚目の写真。右に書かれた六字名号(南無阿弥陀仏)の字体,独特のものですね。
  ③,南北朝時代制作の後醍醐天皇御像(国指定重要文化財)。
   4枚目の写真。
   これは教科書にもよく出てくる有名なものですね。
  ④,南北朝時代制作の二河白道図(県指定文化財)。
   5枚目の写真。
   釈迦と阿弥陀。そして浄土宗の開祖・善導大師が配置されています。

 是非ともお出かけ下さい。素晴らしいですよ。

 最後に,案内・解説いただいた学芸員の遠山元浩氏に感謝いたします。