南部川の支流附近の山中から掘り出された古谷石

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 日本人は古くから美しい風土の中で自然を愛し、自然と慣れ親しんできました。
 そして,自分達の自然観をよりはっきりと表現するため,床飾りとして盆の上に自然石(盆石)を置くことで山々を表し、日本古来の縮景芸術の1つとして自然が織り成す様々な表情を盆上に描いてきました。

 これが盆石・水石の世界です。

 その盆石の代表が,和歌山県の南部川支流附近の山中・音無川層群下層「瓜谷累層」(約6000万年前の新生代初期・暁新世につくられた地層)からノジュール(団塊)として掘り出される古谷石(瓜渓石)で,この石の中に山と,谷を流れる白い川と滝が封じ込められています。

 1枚目は横から写した写真。2枚目は上から写した写真です。

 残念ながらこれはまだ原石に近いもので十分に磨かれていません。これは,私が亡き義父から譲り受けた遺品の1つですが,庭に放置していたため,根の部分からシダが生えてきました。

 さて,これを盆石として仕上げるかどうか,現在思案しています。