浅羽郷土資料館特別展『遠州の霊山と山岳信仰-その源流と系譜-』の紹介。

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 静岡県袋井市立浅羽郷土資料館平成19年度特別展「遠州の霊山と山岳信仰-その源流と系譜-」が,今,開かれています。

 期間は,2007年10月13日(土)~12月2日(日)までです。

 色々と注目されるものが展示されています。

 中でも私が興味をいだいたものは次の2つです。写真はいずれも学芸員の山本義孝氏提供の図禄『遠州の霊山と山岳信仰-その源流と系譜-』から掲引させてもらいました。

 1枚目の写真は,二俣久延寺所蔵の阿弥陀如来坐像(浜松市指定文化財)の写真です。しかし,もとは天台宗系の山岳寺院に鎮座していたようです。鎌倉時代初期の作品ですが,地方仏師作であろう。

 2枚目の写真は,滋賀県東近江市柳瀬在地の「大般若波羅蜜多経」(東近江市指定文化財)の巻末の部分です。ここに次のような奥書が記されています。
 
 「願主 遠江守源朝臣義定
      於厳室寺血極谷書写了
       文治ニニ年五月日   」

 遠江守源朝臣義定というのは,遠江国初代守護職をつとめながらも,謀反の疑いをかけられ将軍頼朝の命令によって殺された安田義定(甲斐源氏,1134~1194)をさしています。

 この「大般若波羅蜜多経」は,遠江国府近くの岩室寺において,賢栄によって書写されたものです。