超世寺の如来形坐像について

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 町史編纂のために集めた写真を公開します。色々なところから集まってきました。

 和歌山県日高郡南部川村の超世寺本堂の正面に向かって左側に客仏として安置されている木造如来形坐像は,旧南部町との合併前,旧南部川村文化財に指定されていましたが,像高わずか29cmの小像でありながら,大きな仏像に負けない堂々とした風格をもっています。

 寺伝では釈迦如来像だといわれ,腹前で禅定印を結び,右足を上にして結跳夫坐しています。

 上瞼を波形に作った切れ長の眼は彫眼で,螺髪も掘り出されています。右肩は裸で,左肩から納衣を掛けています。

 頭部・体部を一材で作り,膝前に横一材を,両手先は別材を用いています。

 南部川村教育委員会南部川村文化財』(1996)によりますと,両眼・螺髪・納衣の彫法から見て,10世紀後半から11世紀前半にかけての平安時代中期の制作と考えられるそうです。

 なお,この仏像は元来,この寺にあったものではなく戦国時代にこの寺にもたらされたとも伝承されています。
 まだまだ謎の多い仏像です。