唐時代の万仏洞の仏像

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 中国の龍門石窟の中に唐時代に造られた万仏洞があります。

 万仏洞の入口近くの左右(南北)両壁には,驚嘆すべき約1万5000体の小仏が(1枚目の写真),そして下部には顔の潰された技芸天像が浮き彫りされています。つい手で触ってみたくなります。

 そして,万仏洞奥の壁面には,両脇に弟子・供養者・菩薩像を従えた,高さ4mに及ぶ本尊の阿弥陀如来仏坐像が八角蓮華須弥座上に彫り出され,身体に金彩が施されています(2枚目の写真)。光背と台座は赤く塗られています。

 阿弥陀如来仏坐像は円満で柔らかい印象を与える仏像ですが,右手の指がほぼ中程から欠損していることが惜しまれます。

 阿弥陀如来仏坐像上の壁面には54体の蓮上菩薩が浮き彫りされ,蓮が2重に浮き彫りされた天井には,これらが唐時代初めの永隆元年(680)に,姚神爽らの発願により造営されたことが記されています。

 万仏洞は,阿弥陀浄土もかくと思わせる華やかな石窟です。

 [追記]最後の「技芸天像」2体は,『龍門石窟』(中国旅游出版,1986)から拡大複写させていただいたものです。