韓国の「慶州歴史地域」(世界遺産)をめぐる

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 23年前の1984年の夏休み,K大古代史研究会主催の韓国6日の旅に行ってきました。本当に充実した日々でした。

 プサンからソウルまでの間で色々な場所を見学しましたが,やはり慶州市内めぐりが一番印象に残っています。

 慶州は古代の統一新羅王国の首都でしたが,現在では人口約13万人の地方都市に過ぎません。しかし,最盛期には人口約80万人を誇った大都市でした。

 先ず,「古墳公園」に向かいました。
 この「古墳公園」は,1973年から1975にかけて保存工事によって整備された公園です(1枚目の写真)。この公園には,古墳が20余りあります。特に,新羅王国13代の味鄒尼師今陵古墳,「天馬塚古墳」(2枚目の写真,皇南洞155号古墳),双円墓として有名な皇南洞98号古墳などがよく知られています。それらの古墳はすべて芝で覆われ,綺麗に整備されています。

 「天馬塚古墳」は,直径50mの円墳(積石塚)で,墳丘の中に入れる唯一の古墳です。築造時期は5世紀ないし6世紀と推定されている。木棺から金製冠帽や,白馬が疾駆する姿が描かれた鞍掛けなどが発掘されました。ここから新羅王国21代の炤知麻立干か,22代の智証麻立干の墳墓といわれています。

 石窟庵及び仏国寺見学後,次に「掛陵」に向かいました。
 「掛陵」は,韓国内の古墳の中でも比較的保存の良好な王陵の1つです(3枚目の写真)。誰の墓か不明ですが,多くの本には,新羅王国36代の恵恭王か,38代の元聖王のどちらかの墓であろうと書かれています。8世紀後半の直径23mの古墳です。護石に填め込まれた12支像のレリーフに注目。
 「掛陵」そのものも見所ですが,そこに至る道沿いに建つ石人(文官・武官)・石獣にも注目してください。

 4枚目の写真は,「堀仏寺跡の四面石仏」正面の三尊仏の右横面に彫り刻まれた菩薩像です。なぜこれだけ取り上げたかというと,これは明らかにインドのグプタ様式の影響を受けていると推定されるからです。

 5枚目の写真は,南山の麓にある内南面「拝里の三体石仏」を撮った写真です。一石から掘り出した丸彫りの石仏ですが,心和む親しみを感じさせる石仏です。7世紀中頃のかなり古い時期に属する釈迦三尊像です。一目で大好きになりました。

 6枚目の写真は,九政里の方墳です。伝承によると,「石窟庵」や「仏国寺」を造営させた金大城墓であるという。はたしてどうでしょうか。

 韓国の慶州市内周辺にはまだまだ素晴らしい仏像がありそうです。さすが地区全体が世界遺産に指定されるだけの価値はありますね。ちょっと,古墳と仏像に偏り過ぎましたが・・・・。