これは何の写真だと思いますか。

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 これは何の写真だと思いますか。場所は,草鞋峠(わらじとうげ)から女坂(めざか)を下り,林道を横切り小川を渡った所にある仲人茶屋跡の近くです。

 一見,石造りの家のように見えますが(見えないかな),実はこれは炭焼き窯の跡なのです。後に紀州備長炭としてブランド化される備長炭(白炭)の炭焼き窯の跡なのです。

 本来,石壁の上に粘土で屋根がつき固められ,全体が粘土でおおわれているのですが,長い年月の間に屋根の部分と周囲に張り巡らされた粘土の部分が落ちてしまったようです。

 備長炭の原料は,「うばめがし」という堅い木です。当時は周辺の森にたくさん生えていたようですが,現在では海岸部を除きめっきり少なくなりました。

 たぶん江戸時代に造られた窯だと思うのですが,熊野古道に沿って時おり見られます。
 詳細を知りたい方は,田辺市中辺路町野中にお住まいの作家・宇江敏勝氏の著作をお読みください。