書評のむつかしさ

 最近,初めて書評なるものを書きました。恥ずかしながらまともな書評(自分だけそう思い込んでいるのかもしれませんが)を書いたのはこれが最初です。
 これまで多くの方々から,論文や著作をいただきました。その方々は密かに書評を期待されたのかもしれませんが,自分の無知をさらけ出すのが何やら怖くて書けませんでした。中には,その方との持てる力の違いを自覚して途中から書けなくなり,迷惑をおかけした経験もあります。

 でも,数々の温かい圧力に押されて,やっと書評を書く気になりました。しかし,こんな私に書評される著者としてはたまったもんじゃないでしょう。かえって,ご迷惑をかけたのでは,と心苦しく思っています。

 ただ,嬉しかったのは同じ誌面で,H氏が拙著の書評,それも私以上にその論文集の短所も長所も見抜いて私にもわかりやすく書いてくれたことです。でも,やっぱり私が整理できずに迷っている箇所は,はっきりと見抜かれてしまいました。それについては,しっかり考え抜き,早い目に一定の結論を出しておこうと思います。ありがとうございました。
 
 それにしてもこの年になり,はっきりといってくれる(たぶんかなりいうのを遠慮してくれたのでしょうが)年下の良き友人を持つことができて良かったなあ,と今さらのように思っています。学問の世界で,このような甘っちょろいことをいったら駄目なんでしょうが・・・・本当にラッキイだったなあと思っています。

いつか,彼が自著を出版することになれば,是非書評を書かせてもらい,日頃の友情に報いたいと思っています。