安宅水軍基地の調査

和歌山県白浜町教育委員会は,中世中期以降,熊野水軍の一翼を担ったとされる安宅氏の実像を探るため,富田の馬谷城跡で測量調査を実施すると共に,日置川流域にある大古の長寿寺で試掘調査する,と発表しました。調査を依頼された大学は,滋賀県立大学(団長は菅谷教授)です。
富田の馬谷城跡は,熊野古道(大辺路)沿いの標高90mの山上にある城跡で,安宅氏の家臣で熊野別当家の末裔といわれる吉田春秀(富田地域を地盤とする人物)が築いた城です。
長寿寺は,安宅氏の家老である大野相模守の発願で建立されたといわれている寺院で,暦応5年銘のある備前焼の大甕の出土の状況を確認するため,その出土現場周辺を中心に調査をおこなう予定だそうです。
中世後半の安宅氏とその水軍の実態を知る上で,その調査結果が大変楽しみです。