桐村英一郎氏の新著『イザナミの王国 熊野』を紹介します。

 
 桐村英一郎氏の新著『イザナミの王国 熊野有馬から熊野三山』(方丈童出版、2013年7月)です。
 
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 この本は桐村英一郎氏の民俗学に関する5冊目の著作です。
 
 桐村氏によると、熊野山は、新来の神である「結早玉」神が、元来この地方で祀られていた本つ神を押し退ける形で、有馬から熊野川河口の新宮へ、そしてさらにその上流の中洲・本宮へと遷座したことにより成立したようです。
 
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 目次は次の通りです。
   南海
    1 プロローグ――常世への憧れ
    2 影が薄いイザナギ
    3 女神の死が豊穣を生む
    4 ハイヌウェレ神話
    5 イモから五穀の神話へ
    6 火は女性の中にあった
   地母神
    1 母から子へ命のリレー
    2 独自の神格「結早玉」
    3 淡路の神話が宮廷へ
    4 異なる二神の性格
    5 母神には海辺が似合う
   有馬
    1 『いほぬし』と花の窟
    2 旅日記の描写の変遷
    3 藩主の碑は語る
    4 産田社の白石
    5 稲作の祈りが鎮魂祭に
    6 本宮の「挑花」に注目
    7 神話の里を散策
   河口の神
    1 勘文が残した縁起
    2 縁起に混在する古伝承
    3 新来の神に新たな名前
    4 洪水を防ぐ祈り
    5 寄り来る神迎える祭り
    6 速玉と黒潮を繋ぐもの
    7 激しい昇格レース
   大斎原
    1 中洲の神の心象
    2 社殿の変遷は語る
    3 神と仏の角逐
    4 坐神から家津御子神
    5 出雲の神名が影響
    6 ケツミコとスサノヲ
   大滝
    1 滝本から始まった祭祀
    2 女神を受容する土壌
    3 那智に移った中心軸
   痕跡
    1 宣長と産田社の絆
    2 那智山にわたる有馬の歌
    3 産田社を尊ぶ本宮
    4 花の窟からイザナミ迎える
    5 今の地名たどった行列
    6 我がものにしたい神
    7 エピローグ――私からの応援歌