中国元代の高足坏・馬上坏2題
同じ中国元代の高足坏(馬上坏)ですが、形態、文様、胎土、窯名に違いがあります。
①の高足坏(馬上坏)は、白地鉄線文様磁器とでもいうべきものですが、胎土は青灰色で上地に白化粧土が施され、その上に鉄線文が引かれています。
中国北部の山西省にあった霍州窯(かくしゅうよう)の産です。
②の高足坏(馬上坏)は、白地鉄絵(黒花唐草)文様磁器とでもいうべきものですが、胎土は灰褐色で上地に白化粧土が施され、その上に鉄絵(黒花唐草)文が描かれています。
山西省の左隣・陝西省にあった耀州窯(ようしゅうよう)の産です。山西省の右隣・河北省にあった磁州窯の焼き物によく似ていますが、古美術商のS氏によると胎土は耀州窯のものであるとのことです。なお、今のところこの窯産の坏の類品は他に確認できていません。
共に呑み心地がよく、気に入っています。病気療養のためお酒もほとんど呑まなくなりましたので、たまに使うだけというのは宝の持ち腐れというものですね。